【5】C5 AIRCROSS(シトロエン)
フランスの自動車ブランド、シトロエンは兄弟ブランド、プジョーとともにディーゼルを日本市場に積極投入してきた。全長4.5m級SUV「C5 AIRCROSS(エアクロス)」はその1台である。
パワートレインは最高出力130kW(177ps)の2リットルターボディーゼル+8速AT。このエンジンは設計年次はそれほど新しいものではなく、性能的にも最新ユニットに比べると凡庸。動力性能、燃費ともまあ納得という程度である。が、一風変わったデザインのこのクルマにそれが積まれると、独特の魅力を帯びるから面白い。
C5 AIRCROSSは全長4.5m級モデルとしては荷室、居住区がともに大変広く、大人4人と大量の荷物を積んでの移動も朝飯前。足まわりに2段型ショックアブゾーバーを使うことで乗り心地も良かった。
週末や長期バカンスに遠出を楽しむリゾートエクスプレス的な性格なのだが、ガソリンに比べて航続レンジが長く、低回転での力感にも余裕があるディーゼルは、その性格をより色濃いものにする。個人的な印象ながら、このクルマをそれらしく乗るなら1.6リットルターボガソリン断然ディーゼルとの感があった。
面白いことに、パワートレインのラインナップを持つプジョーのDセグメントセダン「508」の場合、逆にシルキーなフィールのガソリンのほうがディーゼルよりも断然似合っているように感じられた。パワートレインのセレクトは本当にクルマの性格次第と今さらながらに思った次第だった。