「テラスハウス」に出演していたプロレスラー木村花さんへの中傷投稿をめぐる訴訟の判決後、記者会見する母の響子さん(時事通信フォト)

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まさか訴えられるとは思いませんでした

「短期間のゲーム誌バイトとライターかじっただけですけど、わかってないのは業界の連中で、自分は正しいと思ってました。実際、ネットの世界ではそれなりに受け入れられました。褒めるより叩くほうが受け入れられたので、自分に合ってました」

 匿名だからこその同調と空気に飲み込まれた青井さん。2ちゃんねるはもちろん、当時乱立した数多の掲示板にどっぷり浸かった。とっくにゲームライターも自然廃業、業界とは関係ない立場だったが、やはり有名クリエイターを叩き、人気ゲームをこき下ろした。

「高揚感が凄かったですね。社員編集の連中はバカにしたけど、掲示板の多くは賛同してくれる。俺の考えてることのほうがやっぱり正しかった、って。もちろん、いまはそんなヤバい奴じゃないですよ」

 確かにいまの青井さんを見る限り、そんな時代があったとは信じがたい。筆者が後輩からゲーム仲間だと紹介されたとき、青井さんは痛いオタクだった、とは聞いていたが。

「辛辣ですけど事実ですね。文系のくせにとか平気で言っちゃう奴でした」

 青井さんは理系であることに一種のアイデンティティを持っていたそうで、私立理系大を出たあと新卒で大手ゲーム会社、出版社と受けたがすべて落ちたという。斜陽と揶揄する向きもあるが、その高い倍率と就職偏差値(ここでは便宜上使う)は昔もいまも揺るぎない。

「だからバイトで(出版社に)潜り込んだんですけど、なんかダメでした。物作ったり文字書く側じゃないって気づいたのは結構あとです」

 青井さんは関東近郊の実家暮らしという気軽さもあったのだろう、地元の和食レストランやカレー屋などのアルバイトを転々としながらライトノベル小説など書いてみたりフリーゲームなど作ってみたりしたが、どれも完成すらしなかったという。すでに2000年代も中盤、青井さんは実家住まいのフリーターとして過ごした。

「いまは才能なかったってわかってますけど当時はヤバかった。黒歴史です。でもネットはそんな自分も受け入れてくれたんです。サイトで自分の小説の断片を出すと『すごい』『神』って言ってくれる人がいる。フリーゲームなんか企画の話だけで褒めてくれる。必ず誰かいて迎えてくれる。あのときの自分にしてみれば気持ちいい世界だったんです」

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