ライフ

グラビアアイドルをネットで誹謗中傷して訴えられたオタク男性の告白

中川翔子はSNSでの誹謗中傷などについてTwitterで「警察に相談してしかるべき対処をしていこうと思います」と宣言し「何書いてもいいわけじゃない、調子に乗ると大変なことになると理解してほしい」と続けた(時事通信フォト)

中川翔子はSNSでの誹謗中傷などについてTwitterで「警察に相談してしかるべき対処をしていこうと思います」と宣言し「何書いてもいいわけじゃない、調子に乗ると大変なことになると理解してほしい」と続けた(時事通信フォト)

 インターネット上の誹謗中傷への対策強化のため、刑法の侮辱罪が、懲役もある罰則の引き上げへと見直される見込みだ。女子プロレスラーの木村花さんの事件で男2人に略式命令がくだされ、9000円の科料だったことが報じられると、罰則が軽すぎるという声が上がっていたが、中傷に対して中川翔子さんをはじめ毅然と対応する芸能人も増えてきた。俳人で著作家の日野百草氏が、過去にネット上で誹謗中傷を実行し、相手に問い詰められ和解した経験をしている、かつての匿名掲示板住人に、貴重な加害者側の気持ちを聞いた。

 * * *
「和解して、とくに生活に変わりはなかったです。昔の話ですが」

 新宿西口の地下にある古い喫茶店、ようやく口を開いてくれた青井学人さん(40代、仮名)が少し視線を落とす。「ようやく口を開いてくれた」とは昨年来ずっと、過去の誹謗中傷をした事実と、それにより和解に至った経緯を話して欲しいとお願いしていたからだ。「古い話です」といなされていたが、今年になって話しましょうかとメールがあった。

「自分が名無しの一般人でよかった、というのが本音ですね」

 青井さんは1990年代末期、中小出版社で短い期間ながらゲーム誌の編集アルバイトをしていた。退職後の一時期、ゲームライター的なこともしたがあまりうまくいかなかったという。筆者が接点を持ったのはここ数年なので、あくまで青井さんの言でしかない。

「編集部ではバイトで、ライターでも無記名のゲーム紹介記事をやっただけ、自分の名前なんてどこにも載りませんでした。つまり名無しの一般人です。有名人だったら騒ぎになって、一生そのこと言われるじゃないですか。ニッチな世界で知られていても揶揄されたでしょう。でも自分みたいなその辺の人なら和解で終わりです」

 一見、小太りで柔和な笑みだが、当時の青井さんは負けん気が強かったそうだ。しかし編集部では笑いものだったという。確かに新入りバイトが有名クリエイターや人気ゲームを批判しても理解は得られにくいだろう。短い業界体験、青井さん曰く「挫折」した。

「だからネット掲示板だったわけです。匿名掲示板は平等です。誰が言ったか、ではなく何を言ったか、がすべてですから」

 誰もが自由に言論を手にして、リアルのヒエラルキーと関係なしに自分の意見が受け入れられる――かつてのネット民は青井さんと同様、匿名掲示板に期待した。

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン