A氏の主張に正当性はあるのか(7月下旬)
A氏の主張に正当性はあるのか。元大阪府警財務捜査官で金融犯罪や詐欺に詳しいアキュレートアドバイザーズ社長の小林弘樹氏が指摘する。
「不特定多数から投資目的でお金を集めるには、金融商品取引業の登録が必要です。ですが、『近親者数名への貸付』ならこれに該当せず、貸金業登録も表面上は不要と思われます。この場合、元本・利息の返済が途絶えても『民事の債務不履行』となり、刑事責任は問いにくいと考えられます。
ただし、実態が不特定多数から投資目的でお金を集めたものであれば、警察も見逃しはしません。一般に高利回りの投資のはずなのに、名目が『貸付』の場合、警察の追及を逃れる方便であるケースが多いので要注意です。このような事態に遭遇したときは、早急に警察に相談すべきです」
現在、「詐欺的な投資勧誘トラブル」が増えている。コロナ禍による経済的な困窮から、「手軽に儲かる手段」を求める人が増加。国民生活センターは「未公開株」や「社債」のほか「外国の通貨」や「事業への投資話」などを持ちかけて、資産を騙しとろうとする被害が高齢者を中心に多発していると警鐘を鳴らしている。
※女性セブン2021年9月30日・10月7日号