スポーツ

三つ巴のセ・リーグ優勝争い 「下位に取りこぼしをしない」ヤクルトの優位性

「史上最年少100本塁打」達成の村上宗隆は巨人戦・阪神戦でも好調な成績を残している(時事通信フォト)

「史上最年少100本塁打」達成の村上宗隆は巨人戦・阪神戦でも好調な成績を残している(時事通信フォト)

 プロ野球は終盤戦を迎え、佳境に入っている。セ・リーグは3連覇に挑む巨人、16年ぶりの優勝を狙う阪神、6年ぶりの頂点を目指すヤクルトの三つ巴の争いになっている。9月23日時点で首位・ヤクルトをゲーム差なしで2位・阪神、2ゲーム差で3位・巨人が追う展開になっている(以下、記録は同日現在)。ここから、抜け出すのはどのチームか。プロ野球担当記者が話す。

「経験値で言えば、巨人が一枚も二枚も上手のはず。しかし、9月に入ってから中5日、中4日で先発ローテーションを回していますが、うまく機能していない。シーズン序盤から中継ぎ陣を酷使してきた影響もあって、投手陣のやりくりが苦しくなっている。

 8月、9月とチーム防御率は4点台。打線は丸佳浩の不調、新加入の中田翔やハイネマンも期待通りの活躍とは言い難く、8月、9月ともにチーム打率2割3分台と低迷している。打線は上がってくるかもしれませんが、投手陣はこれからさらに疲れが出てくるかもしれません。また、今年は下位チームをお得意様にできておらず、3連覇には黄色信号が灯っていると思います」(以下同)

 巨人は昨年、最下位のヤクルトに15勝6敗3分で貯金9、2位の阪神にも16勝8敗で貯金8と大きく勝ち越した。しかし、今年は最下位の広島と首位のヤクルトに貯金4ずつを稼いでいるだけ。DeNAに対して、東京五輪中断前の前半戦は8勝1敗3分と貯金7を作ったが、後半戦は1勝5敗2分と負け越している。

「序盤から首位を走っていた阪神が独走できなかったのも、お得意様を作れなかったことが大きいと思います。現在Bクラスの3チームに、いずれも貯金2ずつしかない。去年苦手とした巨人には9勝9敗1分と五分、ヤクルトには11勝6敗3分と勝ち越しているだけに、どこか1チームだけでも大きく勝ち越していれば、かなり状況は変わっていたでしょう。

最後は引き分けの数も効いてくる?

 一方、首位のヤクルトはBクラスの3チームに対し、いずれも6つ以上勝ち越している。特に、DeNAには14勝4敗2分と貯金10を稼いでいる。その分、阪神には6勝11敗3分、巨人には6勝10敗3分と負け越しているため、なかなか首位に立てなかった。

「後半戦に限れば、ヤクルトは阪神に3勝1敗1分と勝ち越し、巨人に2勝3敗2分と五分に近い成績を残している。しかも、4番の村上宗隆は阪神戦で打率3割6厘、6本塁打、16打点、巨人戦で3割5分6厘、8本、22打点で、ともにOPS(出塁率+長打率)は1.000を超えている。1番に定着した塩見泰隆も阪神に3割4厘、巨人に3割2分4厘と得意にしている。今後も両チーム相手に五分以上の戦いをできるのではないでしょうか。

 優勝争いでは直接対決が最も大事になりますが、どちらかが一方的に勝ち越すとは考えづらい。となれば、下位チームに取りこぼしをしないヤクルト優勝の芽は十分にあると思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン