先代同士の付き合い
籔本は、大阪では後援会長として元外務副大臣の中山をバックアップしてきた。たとえば2016年12月9日、ホテルニューオータニ大阪「鳳凰の間」で開かれた政治資金パーティ「中山泰秀政経懇談会」には、安倍や細田博之、二階俊博といった自民党の重鎮たちとともに、籔本雅巳も発起人に名を連ねた。自民党大阪府連の幹部が打ち明けてくれた。
「今でこそ見かけませんが籔本さんと中山さんは、連れ立って北新地を飲み歩いている姿をよく見かけました。もう一人、籔本さんの病院建設をしてきた建設業者と3人で派手に飲むので、評判でした。隣の客が高価なワインを飲んでいると、『あれと同じもんをこっちでも開けろ』とやるので、評判がよくなかったけどね」
昨年12月9日に中之島のリーガロイヤルホテルで開かれたパーティでも、籔本が中山の後援会長として挨拶した。したがって安倍と籔本の結びつきについて、一部では中山がパイプ役になっているという説もある。が、中山の実父で元建設大臣の正暉に聞くと、こう言った。
「籔本さんとは、先代(秀雄)と私が親しくさせてもろてまして支援してもろてます。だからうちは安倍さんとは関係のうて付き合っています」
一方、元自民党府連代議士秘書はこう言った。
「籔本さん本人によれば、安倍さんとはお父さんの晋太郎さん時代からの付き合いだそうです。先代同士が親しくなり、そこから二代目の雅巳さんと安倍家との交友が始まったそうです」
その籔本雅巳は、かつて元横綱朝青龍の大阪後援会長としてマスコミを賑わせたこともある。文字どおりのタニマチである。と同時に、自民党の医療政策に乗って急成長を遂げてきた大阪医療界の寵児でもある。
とりわけアベノミクスがその後押しをしてきた。大阪では橋下・松井の“維新コンビ”で医療・社会保障分野に力を入れ、国家戦略特区構想を推進してきた。そこにも安倍のゴルフ仲間の影がちらつく。