感染の発生と相関があるのは、コロナに対する恐怖心の大きさで、時短営業や酒類禁止はほとんど関係なかったという。
怖がっていない人は、店が閉まっていたら家に集まって飲んだり、人混みにも構わず出かけていったり、感染リスクの高い行動を取りがちなので、飲食店だけ閉めても効果は薄いわけだ。
一方、外食産業は就業人口が多く、政府の営業自粛要請は企業倒産の増加や失業率の上昇を招き、経済に深刻なダメージを与えている。帝国データバンクの調べによると、飲食店の倒産件数は、2020年は715件、2021年は10月5日までで367件に達している。
では、飲食店に対する規制は、どう変えていくべきか。
「締めると緩めるの間には濃淡があって、必ずしも営業自粛はまったく無意味とは言いきれません。なので、たとえば、会食は4人以下ならOKとか、利用を1時間半以内にするとか、緩やかな制限に変えていってはどうかと思います。もし第6波が来た場合は、ワクチンパスポート、あるいは数日以内の陰性証明を持っている人に制限するといった方法も考えられます」(同前)
岸田新総理には、飲食店に対する営業自粛要請が本当に効果があるのかを改めて検証して、より有効なコロナ対策を策定してもらいたい。
◆取材・文/清水典之(フリーライター)