冒頭の新聞記事はこのときの事故を書いた記事だった。年齢、職業、そして活動拠点。これらの情報が小杉さんと一致することから、ファンの間では、この男性が小杉さんではないか、と噂になっているのだ。近隣住民は、この事故に少し違う印象を抱いている。
「『またか』と思いましたよ。9月にも東林間駅で人身事故が起きたばかりなんです。今年に入って、もう5件目です」
その場所に漂う何かが、若き才能を引き寄せ、彼岸へ渡らせてしまったのだろうか。
「小杉さんは、きれいな奥さんと3才のお子さんがいるんです。とても仲のいい家族で、小杉さん自身もとても家族思いでした。彼は、売れる前も売れてからも態度を変えない、とてもいい人でしたよ。2019年に腫瘍の摘出手術を受けたと聞いたときには心配しましたが、その後、順調に回復しているという話も聞いて、安心していたのですが……」(音楽関係者)
しかし一方で、人知れず悩みを抱えていたのではと指摘する人もいる。
「腫瘍の摘出を公表した前から、重病を患っていたと聞いたことがあります。いかつい風体に似合わず、かなり繊細な面を持ち合わせていたため、なかなか上向かない体調のことなど、ひとりで思い悩んでいたのだと思います。周囲の人たちからは、“もっと早く彼の異変に気づきたかった”という後悔の声が聞こえてきます」(小杉さんの知人)
再始動を望んでいたファン、友人や家族に、リスペクトし合う音楽業界の同志。全員に愛された小杉さんの、繊細なベース音はもう聞こえない。
【心の不調の相談窓口】
「心の健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)や「日本いのちの電話」ナビダイヤル0570・783・556(午前10時~午後10時)まで。
※女性セブン2021年11月4日号