マッチングアプリは婚期を遅らせる一因にも
幅広い世代にマッチングサービスが定着し、サービス内容が多様化することで、結婚したい人の活動の選択肢は広がった。一方で、選択肢が増えすぎ、複雑なゲームと化すことで、「婚活疲れ」も聞かれるようになっている。勝倉さんはその功罪をこう指摘する。
「自分にあったマッチングアプリを手軽に選択できるようになったのはいいことだし、多様性の時代に合っていますよね。一方で、アプリは、日本人の婚期を遅らせる一因にもなっていると思います。私は複数人のパートナーと共同で相談所を運営していますが、みな口をそろえて、とりわけ女性が高望みになっていると言います。自分の市場価値以上の男性を望む、言い換えれば、自分のレベルを勘違いしちゃっている。
なぜそれが起こるかと言えば、一つは、アプリでイケメンや若い子から『いいね』をもらうからです。男性は遊び目的であっても、女性は『いいね』をもらってしまうと期待が生じ、自己評価が上がっていく。自分の市場価値を正確に知るという点では、結婚相談所のほうが現実が見えると思いますが、その現実に耐えられなくてアプリに戻る人もけっこういらっしゃいます」
「セーフティーネットとしての結婚」が既婚率を上げる?
マッチングアプリが多様化する一方で、婚期を遅らせているとしたら、結婚する人はますます減っていくのか、さらに晩婚化が進むのか。勝倉さんは「結婚」の未来をどう見ているか。
「最近、お金がないから結婚できない、という人がいますよね。それにはメディアの罪が大きいと思っていて、指輪とかウエディングとかと煽って、結婚=お金がかかるイメージを作ってしまったから。だけど本来、お金がないならむしろ結婚したほうがいいんです。収入源が増えるし、二人で生活することで、コストを下げられるので」