国内

小渕優子、杉田水脈氏ら不祥事・失言を重ねても当選した問題議員7人

不祥事を起こしても生き残った議員がいる(時事通信フォト)

不祥事を起こしても生き残った議員がいる(時事通信フォト)

 不祥事や言動を問題視された政治家は、選挙中は有権者にペコペコするが、当選すれば「禊ぎは済んだ」と開き直るのが常だ。今回の総選挙でも、そういった問題議員が議席を確保した。

 萩生田光一・経産相はコロナ自粛中に会合や飲み会を行なっていたことが批判され、梶山弘志・幹事長代行は経産相時代に持続化給付金の“中抜き問題”で監督責任を問われたが、いずれも総選挙では大差で勝利。

 甘利明氏と同じように政治資金スキャンダルにまみれても、小渕優子・組織運動本部長は連続当選を重ね、今回は次点の3倍以上の得票で圧勝した。

「銀座豪遊3人衆」のうち、田野瀬太道・元文科副大臣だけは当選し、自民党に追加公認されて復党も決まった。こうしてコロナ失政や不祥事議員たちは生き残った。

 いずれの選挙区も有権者の怒りがなかったわけではないだろう。共通するのは「落選運動」が効果をあげにくい選挙区という点だ。

 小渕氏や梶山氏、田野瀬氏の選挙区は世襲で受け継いだ強い保守地盤であり、有力野党は“どうせ勝てないから”と候補者を立てない。有権者に選択肢を与えず、「落選運動」を妨害しているのは野党に責任がある。

 比例単独で当選した議員にも「落選運動」の怒りの1票は届きにくい。

「(東日本大震災が)まだ東北で良かった」と発言した今村雅弘・元復興相は九州ブロックの比例名簿単独1位、「女性はいくらでもウソをつける」の失言女王・杉田水脈氏は中国ブロックの比例名簿順位19位で当選。安倍元首相の実弟、岸信夫・防衛相は党本部に、〈本候補(杉田氏のこと)の名簿上位搭載にご配慮をいただきますよう、強くお願い申し上げます〉と文書で申し入れていた(ジャーナリスト・相澤冬樹氏によるNEWSポストセブン既報)。政治学者の岩井奉信・日本大学法学部教授はこう話す。

「名簿順位が重複立候補する選挙区候補より下であれば、同じブロックの選挙区で落選させることで比例単独候補の当選可能性を下げることは可能だが、名簿上位の候補には通用しない」

 だから名簿順位を上げてもらうために党内実力者の顔色だけをうかがい、有権者に心ない発言を続ける政治家が増えるのだ。

 そんな議員には、同じブロックの選挙区候補を落選させ、比例単独候補を名簿上位にする余裕をなくさせるしかない。

※週刊ポスト2021年11月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン