芸能

“清純派”を覆した清原果耶 新作映画で見せた『モネ』とは真逆の演技

ああ

振れ幅の大きな役も難なくこなす清原果耶

 主演を務めたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』が無事に放送終了した清原果耶(19才)。若手女性俳優の登竜門である朝ドラとあって“清純派”のイメージを持つ視聴者も多いが、公開中の映画『護られなかった者たちへ』では、「清原果耶の演技がエグ過ぎた」「『おかえりモネ』と同じ女優と思えない」といった声が多く聞かれ、従来のイメージを大きく覆し話題を呼んでいる。清原の演技のギャップについて、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
 朝ドラ第104作目である『おかえりモネ』は、宮城県気仙沼で被災した主人公・モネ(清原)が気象予報士を目指して上京し、気象予報の力で地域に貢献しようと奮闘する姿を描いた物語だ。清原が朝ドラに出演するのは、俳優デビュー作でもある『あさが来た』、ヒロインの生き別れの妹という重要な役どころを演じた『なつぞら』に続いて3度目。坂口健太郎(30才)や蒔田彩珠(19才)、鈴木京香(53才)、内野聖陽(53才)、藤竜也(80才)といった若手から大ベテランまでの手練れの演者陣に支えられ、見事に主演を務め上げていた。自分のことより他者を想うモネの生き様に、多くの視聴者が“清純”のイメージを抱いたのではないだろうか。

 一方、清原は現在公開中の映画『護られなかった者たちへ』にも出演中。同作は、作家・中山七里(59才)による同名ミステリー小説を、映画『糸』などの瀬々敬久監督(61才)が佐藤健(32才)を主演に迎えて映画化したもの。東日本大震災から10年目の仙台を舞台に、被害者が全身を縛られたまま“餓死させられる”という不可解な殺人事件が発生したことをきっかけに、貧困や格差、福祉の現状など現代の日本社会が抱える問題を描いている。主演の佐藤を筆頭に、阿部寛(57才)、林遣都(30才)、永山瑛太(38才)、緒形直人(54才)、吉岡秀隆(51才)、倍賞美津子(74才)ら優れた俳優陣が揃った作品だ。清原が演じているのは、事件のカギとなる保健福祉センターで働く円山幹子役である。

 この2作に共通するのは、舞台が東日本大震災の被災地であり、それが物語のテーマに大きく関わっているということ。そうなれば、自然とシリアスなシーンも増えてくるというものだ。しかし、『おかえりモネ』で作品のシリアスさを担うのは清原ではない他の俳優たちであり、どちらかと言えば彼女は、暗くなりがちな物語や周囲の登場人物を明るく照らしている印象があった。決して大げさではないものの、モネの感情表現は比較的分かりやすい。視聴者に行間を読ませるのではなく、明確に言葉で伝えようとする朝ドラならではとも言えるものだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン