江原さんは、7月3日の豪雨により伊豆山で災害が起きた熱海市と沼津市に義捐金を贈呈した(左写真は頼重秀一沼津市長と江原さん)。

江原さんは、7月3日の豪雨により伊豆山で大規模土石流災害が起きた静岡県熱海市と、黄瀬川大橋の一部が崩壊するなど大きな被害があった静岡県沼津市に義捐金を贈呈した(写真は頼重秀一沼津市長と江原さん)

「幽体離脱をしてあの世へ渡り三途の川を見ました。恥ずかしながら三途の川を見るのは初めて! すっかり興奮してこの出来事は本の前書きにも書きましたが、私が訪れた川向こうのあの世では結婚式をしているところでした。新郎新婦は幽玄な美しさで祝福ムードに包まれていたものの、表情がどことなく暗い。聞けば、花嫁さんは亡くなられたけれど花婿さんはまだこの世で生きているとのこと。その場所は病気や事故、またはわけあって結ばれなかった人たちのたましいが想いを遂げる結婚式場だったのです。

 三途の川はこの世にいちばん近く、そこで挙げる結婚式はスタートではなく“区切り”なんですね。『あの世の歩き方』を書いていて三途の川を訪れたのは不思議な導きでしたが、成仏とは放念することなのだと。あの世とこの世の狭間ではすべてが解き放たれることから始まるのだ、とよくわかりました」

 あの世へ快適に旅立つには「物質」と「たましい」の2つの視点から備えることが不可欠だと、江原さんは語る。

「物質的な視点からはお墓や相続など、この世にある物質にまつわることを整理して、執着を断つこと。たましいの視点からは、たくさんの経験と感動を重ねて、せっかく生まれてきたこの世での充実を少しでも増やすことです。理解してほしいのは私たちは平等だということです。いま苦しんでいること、楽しんでいることもすべてに意味があって平等に起こっている。

“なんで私だけ”と理不尽に思うこともあるかもしれませんが、あなただけ、という差別は実はない。どんな状況にあっても不満や恨みに心を縛られずに、誰もが同じだと安心してほしいと願います」

他者を攻撃して発散したところで解決にならない

 昨今の生きづらい世の中にあってネットでは他者への攻撃などが深刻化し、悪質な書き込みによって逮捕される事例も報告されている。

「金持ちけんかせず、なんて昔はいいましたが、心が幸せであれば人にいじわるはしないもの。他者への攻撃は自分の苦悩の表れなんです。要は心が苦しい。日常生活でも人にちょっといじわるなことを言ってしまったりするのは、自分が抱える葛藤が露呈しているんです。誰かを攻撃している書き込みも実は自分へ向けて苦悩を書いているわけです。まずはそれを自覚しましょう。自分がかわいそうだと思うから被害者目線で誰かが悪いと攻撃して、“なんとかして”と外に求めてしまうんですよ」

 この自己憐憫・責任転嫁・依存心が、不幸になる3つの法則だと断じる。

「他者を攻撃して発散したところで解決にはならないと悟って、どうしたら自分の不満を解消できるかを考えましょうよ。小さなお子さんやお孫さんがいれば子供中心の生活で自分の時間もなくなって、“なんで私ばっかりこんなに!!”とカーッとくることもあるでしょう。でも、子供は成長すればいずれいなくなっちゃいます。コロナ禍で家族がみんな家にいて3度の食事に犬のごはんと家事に追われる毎日では、“ちょっとは手伝ってよ!”と文句を言いたくなるのもわかる。でもコロナが終息すれば、家族も外へ出て行きます。後から振り返れば幸せな忙しさで、苦しく感じるのはいまだけですよ」

 いまある自分の状況を分析して受け止めることで、気持ちも整う。

「気づくこと、乗り越えることで人にも優しくなれるんです。この世の学びは経験と感動なので、自分が乗り越えて人の気持ちがわかる。ネットの誹謗中傷も人に叩かれたり、仲間外れにされたりした経験がある人ならば、相手の気持ちがわかるからネガティブな書き込みはしないと思います。言葉には自分自身が映し出されるというのは、そういう意味なんです。

『あの世の歩き方』とはいうものの、この世にいるうちから幸せになってほしいというのが、この本へ込めたメッセージ。幸せとはお金持ちの物質的な豊かさではなく、心の豊かさのこと。現実を受け止めて気持ちを整理することで抱え込んでいる苦しみを手放せて、自分の手の中にある幸せにも気づけます」

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