中学2年生時の森永氏(写真/本人提供)

中学2年生時の森永氏(写真/本人提供)

家庭では話さない

 より具体的な知識を得るようになったのは、高校時代です。1年生の時、留年した年上の同級生がいて、不良だった彼は同世代の彼女と同棲していた。ある日、彼が「これがキスマークって言うんだぜ」と自慢げに見せてきたのがきっかけで、性のテクニックなどについていろいろ聞きました。

 実際に彼女とコトに及んでいたので、話も実践的でわかりやすい。それで初めて男女の機微を詳しく知りました。周りの同級生たちを通じて性的なものと出会い、性知識を高めていくのが当時の自分たちの姿だったと思います。

 私には息子が2人いますが、家庭で性に関する話は今まで一度もしたことがありません。仕事に忙殺されて息子たちとの時間を取れなかったこともありますが、「性について子供と語ることが必要だ」とは考えなかったし、思いつきもしませんでした。息子たちからも性的な質問をされたことは一度もなかった。

 我が家だけでなく、当時は性的な事柄をオープンに話す家庭はごく少数派だったと思います。親子関係のあり方が変わってきたのは、息子の次の世代からではないでしょうか。

※週刊ポスト2021年12月10日号

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