2004年12月28日、オフィスで開かれた仕事納めの宴会で乾杯をする社員。この光景は今年も見られない(時事通信フォト)

2004年12月28日、オフィスで開かれた仕事納めの宴会で乾杯をする社員。この光景は今年も見られない(時事通信フォト)

「中高年の上司にとっては“飲みニケーション”こそ至高でしょうから(笑)、コッソリ飲みに行くぞ、おまえも誘ってほしかっただろう、というスタンスですね。若い人は昔の人ほど飲まないし、コロナで外食する機会も減った。そちらの方が好都合だと考える若者の方が多いのに、上司は相変わらずです」

 こう話すのは、都内の大手保険会社勤務・内野由里さん(仮名・30代)だ。社員の多くが今もテレワーク体制だが、本社で勤務している上司が、テレワーク中の部下をわざわざ呼び寄せ、飲み会が開催されるパターンもあるというから、若手から不満の声が相次いでいるというのだ。

「私も11月以降、何度か上司の飲み会に呼ばれていきましたが、翌日出社すると、参加者のほとんどが知らん顔。でもみんな、コッソリコッソリといいながら、何度も飲み会をしてるんですよ。いろいろなことが無駄だなとしか思えません」(内野さん)

 こうした飲み会が横行していることについて、東京都港区内で居酒屋を経営する豊島真一さん(仮名・50代)は「こちらとしては、闇飲み会をバックアップするしかない」と話す。

「近くに大企業がたくさんあることから、店内でバッティングするのを嫌うお客様が多く、プライバシーへの配慮と換気など感染対策の両立が難しい。とはいえ、来ないより来てくれる方がずっといいし、私たちも”協力”を惜しみませんよ」(豊島さん)

 具体的には、ホールの卓上にしかなかった感染対策用の仕切りをさらに大きなパーテーションに変更し、隣り合う客の顔が見えないようにした。また、話し声で身元がばれる可能性があるため、店内に流れるBGMの音量を上げた。さらに細やかな気遣いも必須だという。

「A社の方が来られて”うちの(人間)いる?”と聞かれたら、配慮して席を遠ざけるなどしています。常連さんの顔や名前はもちろん、所属先やその中での関係性を知っておくことが必要で、長年の勘と経験が必要です。気を遣いますが、こうでもしないとお客さんは来ない」(豊島さん)

「アフターコロナ」や「ウィズコロナ」といってもいいようなフェーズにさしかかりつつあるが、その実態が「闇飲み会」とは、なんともいえない侘しさしか感じない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン