国内

オミクロン株の感染拡大 「感染者数より重症化率で考えるべき」との声も

オミクロン株への対応に注目が集まる(後藤茂之・厚生労働大臣/時事通信フォト)

オミクロン株への対応に注目が集まる(後藤茂之・厚生労働大臣/時事通信フォト)

 欧州では冬を迎えて新型コロナウイルスの新規感染者が急増している。ドイツでは1日に6万8000人、フランスでは4万7000人もの感染者が出ている。ワクチン接種率が高いにもかかわらず感染が再拡大しているのは、新たな変異株「オミクロン株」のせいなのか。医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳氏はいう。

「ワクチン接種から時間が経って抗体価が下がり、ブレイクスルー感染が起きている影響と、急速にデルタ株からオミクロン株に置き換わっている影響が考えられますが、まだ欧州の再拡大は前者の影響が大きいと見られています。ただし、オミクロン株はすでにイギリスやドイツでは渡航歴がない人からも感染が確認され、急速に拡大してます。感染者数はさらに増えるでしょう」

 欧州ではすでに感染経路の把握が困難になっている。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はいう。

「南アフリカで発見される前の11月19日にオランダでオミクロン株が出ていたことが判明していて、イギリスでは『すでにヨーロッパで爆発的な市中感染が広がっているのではないか』という論調になっています」

日本で感染拡大は起きるのか?

 今年は正月三が日明けに、感染者数が急増した。1月7日には東京で初めて1日の感染者が2000人を超え、1都3県に緊急事態宣言が発令されたが、来年はどうなるか。ナビタスクリニック理事長の久住英二医師はこう見る。

「感染者の増減は、変異株ごとに4か月空けて繰り返している。直近では9月頃にピークアウトしたので、今年も1年前と同様、年明け頃に感染者が増えると見ています。

 昨年と違って今年はワクチン接種が進んでいますが、ブレイクスルー感染は無症状が多いため、実際の感染者数や感染経路の把握は困難でしょう」

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