〈歴代の横綱は、異口同音に「横綱になった瞬間に引退を考えました」と語ってきた。自らが横綱になる前は「そんなわけないだろう」と思っていたが、昇進した後、その言葉の意味を実感したという〉
物事、なんでも始まりは大事だけど、終わりはもっと大切じゃないか。今はそう感じている。
親方から「今までの100倍、人に言動を見られていると思ったほうがいい」と言われた。相応の行動や考え方をしないと“終わりが大事”というのは実現しない。そんなことも考えた。横綱・照ノ富士としての土俵人生は、どこまで続いているのか。それは私にもわからない。だからこそこの先の未来を楽しみにしようと思っている。
(第2回につづく)
※週刊ポスト2022年1月1・7日号