眞子さんの結婚は、皇族数の減少、皇室の在り方など、さまざまな課題を残した。2022年は、否応なく皇室の未来についての決断を迫られる年となるだろう。この問題について小林よしのり(漫画家)、倉田真由美(漫画家)、三浦瑠麗(国際政治学者)の3氏が座談会を行った。【全3回の第1回】
倉田:愛子さまが成人されたと聞いてびっくりしました。時が経つのは早いですね。
小林:そうしたこともあり、皇位継承の有識者会議が12月6日に最終報告書の骨子を出したんです。「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」と「旧皇族の男系男子を養子に迎える案」という2つの最終案が出てきた。
三浦:女性皇族が皇室に残るというのは、女性宮家を創設するということとは違うんですね?
小林:全然違う。女性宮家は、女性皇族が結婚しても皇族として残り、夫も子供も皇族となる方式だけど、この案は、たとえば佳子さまが結婚したら、佳子さまは皇族のまま公務を続けるけど、夫や子供は一般国民。
倉田:えっ、そんなことできるんですか?
小林:できるわけない。一般国民である夫や子供には、基本的人権として職業選択や信教、移動などの自由がある。海外旅行も行けるし、引っ越しもできる。一方で皇族である妻にはそういった自由がない。一家族のなかに皇族が一人いるというのはありえないんですよ。
三浦:『源氏物語』では、源氏の君は皇室からはずれて源の姓を賜ったけど、天皇の三女である女三宮を正妻に娶った際に、一段上の待遇をしなければいけなくて非常に苦労しています。当時は身分制社会。妻が皇族のままなら、似たような状況です。
倉田:なぜこんな案が出てきたんですか?
小林:そりゃ皇族が減ると、公務に支障が出るからでしょう。
倉田:目先の問題しか見ていないんですね。
小林:もう一つの「旧宮家の男系男子」という案はもっとありえない。70年以上も前に皇籍離脱した旧宮家の男子が突然出てきて、「この人が新しい皇族です」で、国民が納得すると思う? だから、わしは前からずっと、女性宮家を創設しろと言ってきたのよ。子さんが結婚する前に皇室典範を変えなければいけなかったんです。
三浦:ただ、『文藝春秋』(2021年12月号)に載った「秋篠宮家『秘録』この三年間に何が起きていたか」では、眞子さんも佳子さまも皇室としての不自由さに苦しんでいて、自由を得るためには結婚しかないと思い定めていたと書かれていました。お二人にかなり近い筋の情報で、信憑性は高いと聞いています。
倉田:これだけマスコミやネットで個人的な情報をさらされると相当しんどいはず。お二人とも、結婚して皇室を出るのが夢だったんでしょう。