三浦:これまで私は女性宮家を創設すべきと主張してきましたが、彼女たちの意志が見えたら、言いづらくなってきました。
小林:だから、女性宮家の創設は、女性皇族の皆さんが皇族として生きていくことに納得して、皇室に残ってくれるとありがたいなという気持ちがないとダメなんです。わしは眞子さんに皇室から出たいという気持ちがあるのがわかったから、一貫して眞子さんを擁護してきたんですよ。
倉田:小林さんとしては、皇族の方たちの自由意志を尊重するという立場なんですね。
小林:そう。ずっとわしは、皇族というのは、“やっていただいている”という考え方でなければ続かないと言ってきたの。本人が嫌だと言ったら、もうおしまい。それをみんなわかっていなくて、酷いバッシングをしてきたんだよ。
三浦:今のキャンセルカルチャーが醜悪なのは、法を犯しているわけでもないのに、“気に入らない”という“お気持ち”だけでバッシングすること。少なくとも小室さん本人の責任ではない男女間のお金の貸し借りについて、一般人の小室さんをメディアは叩き続けてきました。
(第2回に続く)
【プロフィール】
小林よしのり(こばやし・よしのり)/1953年生まれ、福岡県出身。漫画家。近著に『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論4』(扶桑社)、井上正康氏との共著『コロナとワクチンの全貌』(小学館新書)。
倉田真由美(くらた・まゆみ)/1971年生まれ、福岡県出身。漫画家。一橋大学商学部卒。『だめんず・うぉ~か~』(扶桑社)でブレイク。他の著書に『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず」(小学館)など。
三浦瑠麗(みうら・るり)/1980年生まれ、神奈川県出身。国際政治学者。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。株式会社山猫総合研究所代表。近著に『日本の分断』(文春新書)。
※週刊ポスト2022年1月14・21日号