もう1人、ブレインフォグを訴えるのが、中国地方に住む女性Fさん(40代)だ。
「2021年8月下旬に1回目を接種しました。直後は何も症状がなかったのですが、翌日に腕が上がらないほどの痛みが出ました。頭がふわふわする感覚もあり、夏バテかなと思ったのですが、そのままパートに行きました。ところが、職場に着くと息切れがして、激しいめまいが起こりました。足がなくなったかのような感覚がして、脳梗塞じゃないかと怖くなって、早退しました。
ワクチンも疑ったのですが、こんな症状が起こると聞いたことがなかったので、やはり夏バテだろうと思い直し、その日はしっかり休みました。次の日、めまいがなかったので、中腰でトイレ掃除をしていました。すると急に息が苦しくなり、汗が出て、吐き気もして、そのまま失神してしまったんです」(Fさん・以下同)
それ以降症状が悪化し、寝込む日が多くなった。主な症状は倦怠感で、朝起きて部屋を移動するだけでヘトヘトになる。入浴すると体力がなくなるので、シャワーでしのぐ日々だ。活動すると息苦しさが出て、特に多く動いた日は、胸を締め付けられるような胸痛が出るという。ブレインフォグにも悩まされるようになった。
「電話で話していると、急に頭にモヤがかかったようになって、何を話していたかわからなくなってしまう。それに、簡単な漢字の書き方も忘れてしまって、『三』と書きたいのに『八』と書いてしまったことがあります。パソコンのキーボードで文字を入力するときも、以前なら指がキーの位置を覚えていたのに、いまはどこがAなのかWなのか、わからないんです。
車の運転にも支障が出ています。判断力が落ちて、右車線に行くときに、方向指示器を出して、右を見ながらハンドルを切る一連の動作がとっさにできず、すごく遅くなりました。事故が怖いので、車に乗るのはやめています」
ワクチンが作るスパイクたんぱくが毛細血管を傷つける
ワクチン後遺症を訴える人たちの症状は多岐にわたるが、共通点も多い。これまで掲載した事例と同じく、接種後に動悸やふらつき、倦怠感に悩まされ、1か月半ほど寝たきり状態だったという中部地方在住の30代女性Gさんが、ツイッターを通じて、後遺症に苦しむ人たちにアンケートを行い、調査結果を公表している。
それによると、383件の回答のうち、「1回目、2回目の接種後に起こり、1週間以上続く症状」で最も多かったのが「倦怠感」で、2位「動悸」、3位「頭痛」、4位「胸苦しさ」、5位「ふらつき、めまい」と続く。また、女性がかなり多いのも特徴の1つだ。そもそも、なぜこのような症状が起こるか。そのメカニズムはまだほとんど解明されていないが、1つの答えとなりうるのが、新型コロナワクチンの成り立ちの特異性だ。