仕事のために打ったワクチンで仕事が続けられなくなった
呼吸困難感と並んで訴える人が多いのが、強い倦怠感や筋力の低下だ。東北地方在住の女性Cさんが話す。
「昨年10月初旬に集団接種会場で1回目の接種を受けたのですが、その1分後に、打った左腕がしびれ出しました。30分の待機中には、喉が詰まる感じがして、咳も出始めました。急激な症状ではなかったので、そのまま家に帰りましたが、声がかすれ、左足もしびれてきて、胃のあたりにも激痛が走って……。
だんだん心配になってきて、県の副反応相談センターに電話したら、『病院に行ってください』というので、4時間後に救急外来に行きました。診察を受けると、37℃台の熱があり、ふだん120くらいの血圧が150に上がっていました。首のあたりが赤く、目もかゆくなっていたので、アナフィラキシーだろうという診断を受けました。注射と点滴を受けたら症状が治まったのですが、大事を取って1泊の入院となりました」
しかし、Cさんの症状はそれで終わらなかった。翌日には退院したものの猛烈な吐き気が襲い、3日目には胸痛と動悸、息切れもひどくなった。
「2日目と3日目にかかりつけ医を受診して、血液や心電図、心筋梗塞のトロポニン検査をしてもらったのですが、異常はないと言われました。だけど、4日目には足の筋肉にも違和感が出てきました。ふらつくようになり、体中のあらゆる場所の筋肉がすぐ疲労するようになりました。足がつりそうになったり、腕がブルブル動いたり……。“筋肉がおかしい”という嫌な感じが、接種から2か月以上経ったいまも続いています」(Cさん・以下同)
筋力低下と強い疲労感のために、Cさんの日常生活には大きな支障が出ている。
「小学2年生と1年生の子供がいて、まだ手がかかります。それに夫は仕事で不在の時間が長いため、平日はどうしてもひとりで家事をしなくてはなりません。だけど、洗濯物を干すために手を上げると、それだけで腕がだるくなり、背中にも痛みが走るんです。
スーパーに行くだけでもふらつきを感じるので、カートに寄りかかりながら買い物するのがやっとの状態です。飲食店で働いており、お客様に迷惑をかけないようにとワクチンを打ったのですが、そのせいで仕事が続けられなくなりました。収入が減ったうえに病院代もかかり、経済的にも苦しい状況です」
歩けなくなった人はほかにもいる。関東地方在住の男性Dさん(20代)だ。
「8月中旬に1回目の接種を受けた後、翌日から倦怠感と37.5℃くらいの発熱、それに強めの頭痛が2、3日続きました。4、5日後に症状がいったん治まったのですが、接種から10日後、突然、異様な足のしびれが出てきたんです。両足に出ましたが、左足の方が強かったです。
それと一緒に、足の脱力感というか、疲労感のような症状も出てきて、とても不安になりました。神経内科や脳神経外科で診てもらったのですが、異常なし。でも、あるときからしびれが痛みに変わり、歩くのもつらくなったんです。それで、寝たきりのような状態になってしまったんです」(Dさん・以下同)