中学生を対象とした集団接種。12~19才の接種率は74%にのぼる(時事通信フォト)

中学生を対象とした集団接種。12~19才の接種率は74%にのぼる(時事通信フォト)

 登校した日もあったが、授業にまったく集中できず、ぐったりして帰ってきた。何とか外に連れ出そうと、犬の散歩をしてみるが、30分もすると帰ってきて、「疲れた」と横になってしまう。

「ずっと学校を休んでいるから、外に出て、同級生と道で会うのも嫌みたいなんです。勉強がかなり遅れてしまったことへの焦りもあり、体の不調に加えて気持ちの落ち込みも強いようで……。何とか症状を緩和する手立てがほしいと強く思っています」

 接種後に生じた激しい頭痛のために学校に通えなくなった関東地方在住の中学生もいる。年齢や性別を非公開にすることを条件に保護者がメールで取材に応じた。

「去年11月上旬、2回目を接種した直後にひどい頭痛が始まりました。かかりつけ医で処方された鎮痛薬がまったく効かず、1週間経っても治らない。再度受診して、『これはワクチンのせいではないですか』と聞いたのですが、『違います。スマホはほどほどにして、よくレバーを食べて』と言われてしまいました。子供にスマホは持たせていないのですが……」

 再診時は別の鎮痛薬が処方されたが、2週間経っても治らない。調剤薬局の薬剤師の助言で、今度は総合病院の脳神経外科を受診した。しかし、ここでもワクチンとは関係ないと診断され、鎮痛薬の処方とともに様子見となった。

「3週間経っても改善しないので、再び脳神経外科を受診し、『こんなに頭痛が続いているのはおかしいので、もっと調べてもらえないか』と頼みました。しかし、そのときも先生に『ワクチンでそんな副作用出るのかなぁ? うちでは同じ鎮痛薬くらいしか出せないよ』と言われ、『ならせめて脳のMRI検査だけでも』と頼み、やっとのことで渋々検査をしてくれました。

 結果は異常なし。先生からは、『これ以上できることはない、もしどうしてもワクチンのせいだと言うなら、自分で診てもらえる病院を探して』と突き放されてしまいました」

 年末になって、知人の紹介でようやく親身になって診てくれる病院を見つけ、家族は初めて救われた気持ちになったという。しかし、治療は手探り状態で、症状は現在も続く。

「子供は頑張って学校に行っていますが、ひどい頭痛に耐えられずに最後まで授業を受けられず、毎日早退して親が迎えに行っています。先の見えない状況に、時々私たちも押しつぶされそうになりますが、何とか家族で励まし合いながら日々を過ごしています」

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