国内

岸田政権、運命の参院選 鍵を握るのは菅前首相と維新との“太いパイプ”

岸田文雄・首相にとって命運がかかる参院選(時事通信フォト)

岸田文雄・首相にとって政権の命運がかかる参院選(時事通信フォト)

 菅義偉・前首相が派閥の旗揚げに動き出す──。政界で注目されているのが昨年12月22日に行なわれた菅義偉・前首相の“忘年会”だ。菅氏をはじめ、二階派最高幹部の林幹雄・前幹事長代理、武田良太・前総務相、旧石原派を継いだ森山裕・総務会長代行、そして石破茂・元幹事長が参加した。いずれも岸田文雄・首相と距離を置く非主流派の有力者たちだ。この会合が菅氏の派閥結成と反岸田勢力結集への根回しだったという見方が強い。

 そうした菅氏の動きに秋波を送っているのが安倍晋三・元首相だ。菅氏と安倍氏が組めば党内の勢力図はひっくり返る。岸田政権を支える岸田派(42人)、麻生派(53人)、茂木派(51人)の主流3派は合計146人で自民党の衆参全議員の4割にとどまる。それに対して最大派閥の安倍派(95人)と菅氏を中心とする非主流派勢力(80人以上)が組めば過半数に迫る。

菅政権より短命に

 菅氏と岸田首相の立場が再逆転する日は来るのか。天王山となるのは7月の参院選だ。岸田首相にとっては昨年の総選挙に続く政権の命運がかかる選挙だが、自公の選挙協力協議が難航。自民の大苦戦は免れそうにない。

 仮に、岸田自民党が大きく議席を減らし、与党の過半数割れが起きれば岸田氏は窮地に陥る。

 その時が菅氏の出番だ。元産経新聞政治部長で政治ジャーナリストの石橋文登氏はこう読む。

「与党が過半数割れして衆参ねじれが起きる可能性はあります。その場合、自民党は政権安定のために日本維新の会や国民民主党との連立を模索することになる。その時に誰が維新と連立交渉ができるのか。松井一郎代表と最も太いパイプを持つのは菅さんであり、それに準ずるのが安倍さん。大阪万博誘致など維新が掲げる政策をバックアップしてきたのはこの2人です。

 しかも、維新との連立に動けば、公明党はへそを曲げるに違いない。その公明党を誰がなだめるのか。これも、創価学会と太いパイプを持つ菅さんしかいないでしょう。つまり政権を回すには菅さんと安倍さんの力がなければ無理なんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト