さまざまなメディアで、小室さんのニューヨーク州司法試験に関する話題が取りざたされる中で、真偽不明な情報も飛び交った。村尾弁護士は、「事実と異なる情報が多い」と指摘する。

「筆記テストと択一テスト、それぞれ200点の400点満点中266点が合格ラインです。『再試験は落ちた科目だけの受験になる』というネットニュースを見かけましたが、『筆記テストと択一テストあわせて266点を超えれば合格』という仕組み上、このような“部分合格”はありえません。

 また、面接や身辺調査などで受験生の“性格と適正”を試験とは別にチェックするようなこともありません。試験に合格後、弁護士会への登録の際に犯罪歴の有無などが審査されますが、こちらはあくまでネガティブチェックであり、普通であれば問題なしと判断されるはずです。つまり、テストの点数とは別に、受験生の人物像のようなもので合否が分かれることはありません」

 村尾弁護士は、ニューヨーク州司法試験を取り巻く報道やSNS上での言説に対して、「2021年7月試験の外国人受験生の合格率は31%ですから、数字の上でも簡単ではないことが分かると思います」と語る。

「ノンネイティブが英語で試験を受けて、英語で回答するというのは、想像以上に難しいことです。『複数年のアメリカ留学の経験があれば、難しくないのではないか』という声もあるかもしれませんが、知らない単語が含まれた問題文を読み、法律用語をきちんと使って回答するとなると、高い語学力と理解力が求められます。

 自分も含め、すでに日本で弁護士資格を持っている人間がニューヨーク州司法試験に挑戦するケースは多いですが、法律に関する知識を一定程度持った受験生でも数カ月きちんと勉強しなければ合格することは難しい試験です。ニューヨーク州司法試験を合格するには、それなりの準備と覚悟が必要であることは間違いないと思います」

 試験合格のためには、言語という大きな壁を乗り越える必要がある。小室さんは、“二度目の正直”となるか。

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