芸能

1年の延期を経て『映画ドラえもん』最新作公開 監督が語る「時を超えた感動」

37年ぶりにリメイク!3月4日、ついに公開

37年ぶりにリメイクされ公開される『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』

 1年の延期を経て、ついに公開となる『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』。公開を前に、山口晋監督にインタビュー! 名作と名高い作品が“新作”としてどう生まれ変わったのか、映画の見どころと併せてたっぷり紹介します。

 中学2年生まで劇場でドラえもんの映画を見ていたという山口晋監督。最新作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』には、そんなドラえもんオタクだった子供時代の気持ちが詰まっていると語る。

「ぼくが大好きなひみつ道具はスモールライト。おやつに埋もれておなかいっぱい食べてみたいとか、宝物のプラモデルの戦車に乗れたらどんな感じだろうとか……。“小さくなったら何をやりたい?”と子供の頃にわくわく想像していた夢をみんな、劇中でのび太たちが叶えてくれています」

 ピリカ星の反乱軍から逃れるため地球へやってきた小さな宇宙人・パピと出会い、パピと彼の故郷を守るために立ち上がるドラえもんたち。スモールライトはパピとの心の距離を縮める大切な道具となる。

「手に載るほど小さな体のパピからすれば、人間たちは巨人です。そんな巨人たちの国へひとりで来て心細いときに相手が自分に合わせて小さくなってくれたら、どんなにうれしく、心強いだろうか。また、小さなパピ目線ではのび太の部屋の家具はきっと遠目にぼんやり映るでしょう。

 そう考えてCGで鋭角だった机やたんすの角に丸みを出してもらいました。画もキャラクターの動きやせりふも“彼らならそのときどう感じるだろうか”となりきり、感情移入しました」

 1985年公開作の再映画化となる本作にはオリジナルのキャラクター・ピイナが登場する。

「パピはピリカ星の大統領ですが、まだ10才でのび太たちと変わらない。そんな幼い彼が大役を背負って後ろ盾がいないのはつらいなって。“しんどいときには泣いてもいいよ”とそっと手を差し伸べてくれる心のよりどころとなる家族をパピに作りたく、見守り役の姉のピイナが生まれました。ピイナを通して、パピの年相応の子供らしさや天才の苦悩が伝わればいいなと思います」

 ピイナ役の松岡茉優(27才)、独裁者・ギルモア役の香川照之(56才)など、ゲスト声優もキャラクターに彩りを添えた。

「ドラえもんの映画史上いちばんの嫌われ者としてギルモアを描きたいと香川さんにオファーしたところ、ただならぬ熱量で独善的なギルモアを演じてくださった。お芝居が“レベチ”だと感動したのは、存外に人間味にあふれているからです。ギルモアに悪者なりの弱さもにじみでて、“改心するかもしれない”という光を思いがけず感じさせてくれました」

 パピの境遇や胸中へ思いを巡らせ、スネ夫やジャイアンなどの心の機微も丁寧に描きだした本作。それぞれのキャラクターに寄り添い、見る人の心にもやさしく寄り添う、あたたかい作品になっている。

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン