なにしろ手に汗握る五日間。ネッシーより幻のダンシー五夜。肝心の落語の方は『二人旅』『黄金餅』『よかちょろ』などを収録し、これ以外に談志が国立演芸場でやった『木乃伊取り』『夕立勘五郎』なども収められています。プログラムに談志が書いていた。《(前略)豪華メンバーである。このメンバーの夜に参加したことは、芸人、観客、それぞれ何かの時の語り草になるはずである》。語り草がCD化された。
そこで弟子の立川談春である。「志ん朝七夜」に刺激され2006年には「談春七夜」。これがおどろく程の上出来で“談春名人化”へいいジャンプとなった。そして志ん朝が七夜なら談志は五夜。5月1日から浅草公会堂で「談春五夜」を開催する。私もどこかで見届けに。
イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2022年5月6・13日号