芸能

竹内涼真が挑む『六本木クラス』 バディ役の女優を誰がやるのかという大問題

ゾンビが少ない?…

世界が注目する作品に

 韓国発の名作ドラマを日本のスタッフでリメイクする話題作。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がキャスティングについて考察した。

 * * *
 韓流ドラマ『梨泰院クラス』の日本版が、テレビ朝日系・日韓共同プロジェクトとして7月からスタートすることが発表されました。主役を演じるのは竹内涼真さん。タイトルは『六本木クラス』。原作漫画を日本設定に換えたコミック「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」をもとにドラマ化されるそうです。

 ご存じ『梨泰院クラス』は2020年1月~3月、日本のNetflixで1位を記録した大人気作。しかも配信開始から2年たった今でさえ「今日の総合TOP10」にランクインしているほど関心が高い。たしかにこのドラマ、一筋縄ではいかないいくつもの魅力が詰まっていて、見始めたら最後までグイグイと引き込まれてしまいます。

 父を慕っていたパク・セロイ青年は、父の死による失意の中で、死の原因を作った国内最大の飲食業グループ会長へ復讐を誓う。そして異端の仲間たちとともに飲食店を開業し、のし上がっていく。青春群像劇であり恋愛ドラマであり、ビジネス活劇としても面白く半沢直樹風復讐が爽快感を生む。

 特に主人公パク・セロイの魅力は、深い沼のようです。無垢な少年の純粋さを持つ一方、暴走する危険をはらむ肉体。性格的にマッチョではないけれど、怒りに一度火が付けば相手をボコボコにして殺しかねない凶暴さも。常にエネルギーが充電されていて、しかしそのパワーを外へどう表現したらいいのか戸惑う不器用さ。実直で素直で柔軟、しかし信念を貫く頑固さもある。そんな「乱反射」する魅力的なキャラクターのパク・セロイを、淡々とした演技で実に味わい深く表現したパク・ソジュンの演技力は光るものがありました。

 この難しい役をいかに魅力的に、そして抑制的に演じることができるか。竹内涼真さんに与えられたミッションでしょう。竹内さんは容姿がイケメンというだけでなく、実はサッカー選手としてプロを目指していたほどの肉体派。その意味でも今回の主人公に期待したいものです。

 ただし、見所は主役だけではない。圧倒的な存在感の異色キャラがもう一人います。そう、主人公のパートナーとして躍動するイソです。

「IQ162」という破格の頭の回転の良さを持ち、偉そうな相手にも一切媚びず、ビジネスセンスに長け勝負強さも持つ。運動神経がバツグンでキレキレの奇抜ファッションも着こなしてしまう不思議な女性。ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)で他人に興味がないのに、大手企業を相手に一人復讐を挑むセロイに一目惚れ。一緒に働き始め、完膚なき復讐劇は遂行されていく……。

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