復活を期した今季だったが、相手を制圧するような力強い投球は取り戻せていない。6試合登板で3勝3敗、防御率3.78。直球の球威がないため、際どい変化球を見極められてカウントを苦しくする。毎回のように走者をため、マウンドで不安な表情を浮かべる光景が目立つ。相手打線の拙攻にも助けられているが、大量失点を喫しても不思議でない登板が少なくない。
かつては、菅野に依存していた巨人の投手陣も、若手の台頭で変革期を迎えている。プロ2年目右腕・山崎伊織が4月28日のDeNA戦で6回3安打無失点の好投でプロ初勝利をマーク。4月は山崎、堀田賢慎、戸田懐生、赤星優志、大勢、平内龍太と6投手がプロ初勝利を挙げた。4月までに初勝利投手が6人も出るのは、プロ野球史上初の快挙だった。
「山崎、堀田はトミー・ジョン手術を受けており無理はさせられない。赤星、大勢も新人なのでペナントレースの長丁場は未知数です。ただ、菊地も含めて巨人の将来を担う投手が次々に頭角を現わしてきているのは間違いない。先発陣はメルセデス、戸郷翔征、シューメーカーが安定した投球を続けており、昨季チームトップの11勝をマークした高橋優貴が先発の枠に入れずに救援で投げています。菅野といえども結果を出さなければ、先発の座が保証されているわけではない」(スポーツ紙遊軍記者)
菅野は32歳とベテランの域に入っている。コンディションを万全にした上で、投球スタイルのモデルチェンジも模索していかなければいけないかもしれない。