世間に認知されるほど“子ども”としてのイメージが定着してしまい、成長に合わせてイメージを刷新することに苦労する。子役のマネジメントには、その難しさが常につきまとう。しかし、現在は神木隆之介、伊藤沙莉、福原遥、芦田愛菜など、元子役たちが芸能界を席巻している。一体なぜなのか?
「その方々は、仕事量が減った時期はあるかもしれませんが、たとえ小規模な作品であっても出演作自体は途切れていません。昔は子役のマネジメントにおいて、『声変わりなどが始まったら、いったん様子を見る』という選択がとられることが多くありました。でも大人の2年と、子どもの2年は大違いですよね。様子を見ているあいだに雰囲気がだいぶ変わってしまって、さらにマネジメントが難しくなってしまった。
活躍されている方々は、“メディアに出続けながら、イメージをシフトする”というやり方を選び、それを成功させた印象です。変化の真っ最中でもあえて出続けたことで、視聴者たちも慣れていったのではないでしょうか」
今後はさらに子役出身者の活躍が増えるかもしれない。
「子役出身の役者が次々と活躍することによって、マネジメントの成功例が確立され、『子役上がりは難しい』という言葉も崩れつつあります。当然の話ではありますが、同年齢で比べたとき、やはり子ども時代から活動している方のほうが演技でも何でも上手い。それは現場にとってもありがたいことなので、子役出身の人気俳優がさらに増えていきそうです」
芸能界において、“元子役”が重宝されるブランドとなりそうだ。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)