横山:何かあると、週刊誌に撮られちゃうし、最近じゃあ、ネットにも見張られてますから。
橋:僕らの若い頃は、今みたいな写真週刊誌もなく、芸能を取り扱う雑誌といえば、月刊誌の『平凡』『明星』『近代映画』ぐらいしかなかった。
横山:懐かしいですね。
橋:その記者たちは、地方公演に密着して、飯を食べるのも風呂に入るのも、すべて僕と一緒。ただし、芸能界の内々のことは、絶対表に漏らさないというのが鉄則だった。やっぱり、お互い夢を売るのが仕事でしたからね。
(第5回へ続く)
【プロフィール】
橋幸夫(はし・ゆきお)/1943年、東京都荒川区生まれ。1960年に『潮来笠』でデビューし、日本レコード大賞新人賞を受賞。『いつでも夢を』、『霧氷』で2度の日本レコード大賞受賞。現在、“最後のコンサートツアー”で全国を回っている。
横山剣(よこやま・けん)/1960年、横浜出身。1981年にクールスRCのヴォーカル兼コンポーザーに抜擢されデビュー。1997年春、地元本牧にてクレイジーケンバンド結成。これまでに数多くのアーティストにも楽曲を提供している。
構成/下井草秀 撮影/内海裕之
※週刊ポスト2022年5月6・13日号