那須川天心と武尊の一戦を前に、騒動(写真/Getty Images)
「そうです、知ってます」
刑事事件になろうとしている状況は、榊原氏とX氏の双方が認めているわけだが、X氏が榊原氏に示した音声データとはどのようなものだったのか。本誌・週刊ポストが入手したデータには、榊原氏が知人と電話で交わしたとされる会話が収められている。データには「2020年3月」という日付が記されているが、実際にその時期の会話であるかは不明である。
知人は会話の中で、Y氏というRIZINの関係者について、榊原氏に尋ねていた。
「Yさんのことやけども、あの人はそもそもね、何でRIZINの名刺を持ってないんですか」
それに対し、榊原氏だとされる男性はこう答えている。
「そういう意味で言うと、なんて言うんですか、表立って『RIZINのYです』っていうふうに動くと、やっぱりコンプライアンス的なことも含めてよろしくないっていうことは、ご本人も分かってみえるし、そういう正式なRIZINの顔としてというか、名刺を持って動く立場じゃないところで動いてもらうっていうスタンスでここまで来てます」
こんなやり取りもある。
「Y自身が例えばですよ、稲川会の○○(音声では実名)との付き合いがあるということも、榊原さん、ご存じなんでしょう?」
「そうです、知ってます」
この知人に本誌が入手した音声を示すと、自身の声であることは否定せず、「RIZINとの守秘義務があるため話せない」と話すのみだった。
一方の榊原氏は「ちゃんと聞いたわけではないので、答えられない」としたうえで、改めて「捜査中のことなので」と繰り返した。5月5日、RIZINの試合会場に入る榊原氏に再度質問したが、「広報を通してください」と話した。
音声で名前の挙がったY氏とはどんな人物なのか。RIZIN関係者はこう言う。
「Y氏は榊原さんにとって、厄介な交渉をサポートするトラブルシューター的な存在です。Y氏自身は周囲に、RIZINの顧問のような立場だと語っていました」
Y氏に訊くと、「私の口から答えることができるかどうか。榊原の口から答えるべきか、(RIZINの)広報の口から答えるべきか。事件になっているので、警察と話をしなくてはならない」と話した。
音声データの中で暴力団と交際しているとされている点については、「僕は反社とは違います。榊原がそう言っているのであれば、僕は榊原を名誉毀損で訴えなければならない。今も色んな方と付き合いがありますが、大企業の社長との付き合いが多いですよ」と答えた。