音声データの真相とは
イベントを放送するフジテレビはどう考えるか。
「弊社は常に放送における基準や法令・ルールの遵守を徹底しており、今後も適切に対応してまいります。なお、RIZINの主催・運営には弊社は関わっておりません」(企業広報部)
このフジの姿勢には問題があると、メディア法を専門とする田島泰彦・早稲田大学非常勤講師は指摘する。
「企業は、取引関係業者、利害関係者が反社会的勢力ではないかを確認する義務があり、なかでも公共物である電波を政府から割り当てられているテレビ局は、いっそうコンプライアンスの徹底が求められます。
今回の件では、フジテレビは即、調査を行ない、その内容、経過についての説明責任も生じると考えます。フジテレビはかつてPRIDEに関してコンプライアンス問題があり、契約を解除した経緯があり、その過去の教訓があったにもかかわらず今回、フジが注意義務を果たしているようには見えません。このままおざなりな対応を続けると、報道機関としてのフジの信頼性にも影響を与えることになりかねません」
まずは関係者が流出したデータの真偽や真相について公にし、世紀の一戦が、クリーンな形で行なわれることを願う。
※週刊ポスト2022年5月20日号