旧民主党の事務局長を務めた政治アナリスト・伊藤惇夫氏が指摘する。
「委員会などの国会質問時間は概ね与党2対野党8の比率となっています。野党のほうが多いのは、政権与党は政府法案をまとめる際、事前に政務調査会の部会などで議論してから国会に提出する。与党は党内で議論を済ませているから、国会では野党のほうにじっくり質問の機会を与えるという建前です。しかし、安倍長期政権以来、自民党は官邸主導で政策を決めて党内の異論を封じ込める傾向が強まった。
昔の自民党は主流派、反主流派が互いに違う政策を掲げて国会で議論を戦わせていたが、今は自民党議員が国会で質問に立っても、基本的に批判的な質問をさせないようになっています。国会で自由に質問できないということは、やることがないから当然国会議員の質は低下してしまう」
自民党反主流派の村上氏の「正論を言う質問者は党が出したがらない」という説明とも符合する。
その結果、多額の国費をもらいながら、国会での仕事もせず、不祥事を起こす“シロアリ議員”が後を絶たないのだ。
※週刊ポスト2022年5月27日号