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緑内障患者は10年で約2倍、点眼薬の処方ミスは要注意 良い眼科医の見分け方

緑内障治療はどう進めるのがよいか(イメージ)

緑内障治療はどう進めるのがよいか(イメージ)

 社会の高齢化やデジタル化とともに、目の病気は増加の一途をたどっているという。重篤な症状に陥る前にまず頼るべきは眼科医だが、その技術と姿勢は千差万別。人生を暗転させないために、医者選びの基準を知っておきたい。

 失明・視覚障害の原因1位である緑内障は、眼圧が高まることで目と脳をつなぐ視神経の繊維が減少し、少しずつ視野を失っていく。緑内障患者数は近年急増しており、2017年時点で約106万人(厚生労働省「平成29年患者調査」)。過去10年で2倍近くに増えた。二本松眼科病院副院長の平松類医師が語る。

「視野が欠けていくのが特徴です。実際に視野が欠けてきてもある程度は脳が欠けた像を補うため早期発見が難しく、気づいた時には視野が半分も欠けているといったケースがみられる。発症後は薬や手術などで眼圧を下げるのですが、進行を食い止めるのが治療の目的であり、たとえ手術をしても一度欠けた視野は回復しません」

 神奈川県在住・60代男性のAさんは、運転中に視界の違和感に気づき、眼科に駆け込んだところ、診断結果は重度の緑内障。左目の約2分の1の視野が欠けており、視野が回復することはないと告げられた。これはまさに「視野が半分欠けた」例。Aさんは車の運転を諦め、治療を行なうことにした。

「『手術も視野に入れた治療が必要だ』と説明を受けましたが、眼球にメスを入れるのはどうしても抵抗があって。点眼薬での治療を続けています」(Aさん)

 だがこの点眼薬にもリスクはある。緑内障治療の失敗でよくみられるのは「点眼薬の処方ミス」だ。吉祥寺森岡眼科院長の森岡清史医師が解説する。

「経験の浅い医師が『新薬なら効くだろう』と点眼薬の新薬を使ったのに、効果がみられないことがあります。こうした患者が当院でスタンダードなものに変えたら、眼圧がきちんと下がったケースがある。緑内障治療のための点眼薬は代表的なもので6種類あり、効果がみられない薬は早めに変えることが必要です」

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