会見は和やかな様子だったという(5月、東京・千代田区。AFP=時事通信フォト)
強いご覚悟で成年皇族としての歩みを始められた愛子さまの“第一歩”が、果たしてどのタイミングであるべきか、両陛下は慎重に見定めてこられたという。
「1つは学業とのバランスでしょう。愛子さまは成年皇族になられたとはいえ、まだ大学生です。現代の皇族にとって、社会との接点となるライフワークの研究分野を開拓されることはとても大切なことです。公務や行事が忙しくなり、学業がおろそかになれば元も子もないのです。
もう1つは、この“デビュー”にあたる行事が、愛子さまの長い皇族人生では何度も繰り返し注目され、それが世間の愛子さまに対する強いイメージになるということです。世界平和を希求されるお立場からすれば国際親善の場はふさわしいのかもしれません。ただ、それがアメリカの政治リーダーとの挨拶の場面でいいものなのか、雅子さまはそう疑問を抱かれたのかもしれません」(皇室関係者)
奇しくも、バイデン氏の御所訪問の2日後の25日に、日本とアメリカにとってゆかりの深いイベントに天皇家が参加される予定があった。沖縄がアメリカから日本へ返還されて50周年を記念する特別展「琉球」(東京国立博物館、台東区上野)での公務である。
両陛下は5月15日、オンラインで沖縄復帰50周年記念式典に出席された。陛下はご挨拶で、中学1年生のとき、本土復帰のニュースをご両親とご覧になったというエピソードを明かされ、「沖縄にはいまなおさまざまな課題が残されています」と語られた。
「陛下は今年のお誕生日会見でも沖縄に言及されました。日本国民の統合の象徴として、天皇陛下は、一時はアメリカの統治下にあったという複雑な歴史を持つ沖縄に心を寄せられてきました。それは雅子さまもご一緒でしょう。
愛子さまの成年皇族としての“初仕事”がバイデン氏へのご挨拶でいいのか、それとも沖縄への思いを表現するものであるべきか。雅子さまも悩み抜かれた上での決断だったのではないでしょうか」(前出・皇室関係者)
国民と共にあるとはどのようなことか。雅子さまはこれからも、愛子さまにお伝えになっていくことだろう。
※女性セブン2022年6月9日号