しかし、最後まで雅子さまと愛子さまがバイデン氏の前に姿をお見せになることはなかった。会見を終え、玄関先でバイデン氏を見送られる際、陛下は「次回は皇后を交えてお会いしたいですね」と伝えられたという。
2019年、当時のトランプ大統領夫妻が国賓として来日した際は、両陛下が接遇にあたられた。
「雅子さまは、メラニア夫人の故郷の文化を深く理解した挨拶をし、家族の話題で打ち解けるなど、類い稀なる“外交力”を発揮されました。ネイティブ並みの英語を操る雅子さまにトランプ夫妻は驚嘆したといいます。
今回、コロナ禍の影響もあり、バイデン氏は夫人を伴わずに来日。『1人の来客にはおひとりでのご対応』という通例を踏襲した形になったといいますが、過去にはオバマ大統領が夫人を伴わずに来日した際に、当時の両陛下(上皇ご夫妻)が接遇されたこともあるので、雅子さまと愛子さまが面会されることもあり得たはずです。
愛子さまのお目見えにはとっておきの機会とみられたのですが、そうならなかった理由には、両陛下のより深く、緻密なお考えがあったようなのです」(前出・宮内庁関係者)
アメリカと沖縄、天皇家の思い
愛子さまは3月に行われた成年に際しての会見で、視線を手元に落とすことなく、記者一人ひとりと目を合わせてお言葉を述べられた。そのなかに、「一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたい」というお言葉があった。
「女性皇族が結婚後も皇室に残るかどうかに関する議論はまだ結論が出ていません。ただ、秋篠宮家の長男・悠仁さまが即位される頃には、同世代で天皇を支える皇族が極端に少なくなることを踏まえると、女性皇族が何らかの形で結婚後も皇室に残るような制度になることは、ほぼ確実視されています。
愛子さまの『できる限り両陛下をお助けしたい』というお言葉は、天皇家の長子としての責任感の強さを感じさせるもので、事実上の“生涯皇族”の宣言とも解釈できるのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)