エージェント型の運営を目指しているという

エージェント型の運営を目指しているという(写真/小倉雄一郎)

 YouTuberは自らコンテンツを発信することができる。PR案件やコラボ企画を行うために最初はYouTuberプロダクションに所属したとしても、いずれ脱退してしまう。そこでGuildでは、プロダクション型ではなく“エージェント型”のモデルを採用している。

「スケジュール管理やメールの返信といった部分を任せるだけなら、わざわざプロダクションに所属するよりも、YouTuber個人でスタッフを雇ったほうがずっと安上がりだし、自由に活動することができます。だから、僕たちGuildは“エージェント”としてクリエイターに接しています。マネジメントは行わず、各チャンネルの番組作りを一緒にしていくイメージです。

 たとえば、企業側から『この水を宣伝してください』という依頼が入ったとします。でも、『この水はおいしい!』なんて動画を作ったところでおもしろくないですよね? じゃあ宣伝の予算が1000万円だとしたら、500万円で有名女優さんにオファーして、YouTuberと女優さんが対談している最中に飲んでいるのがその水……みたいな内容にしたほうが絶対に再生数が伸び、広告として結果が出ます。

 単なる営業スタッフというわけでもなく、僕らはYouTuberの代理人として、クリエイティブの視点を持った上で企業と交渉します。だからYouTuberにとっては、Guildと組むことで、『スポンサーを獲得して大規模な企画にも挑戦することができる』『お互いアイデアを出し合える』といったメリットがある。結果、彼らのクリエイティブが何倍にも発揮されるんです」

 ひろゆき氏が“論破王”として大ブレイクするきっかけとなったYouTubeの切り抜き動画も、高橋氏が携わったプロジェクトだ。こちらは、「第三者が動画の一部を切り抜くことを認める代わりに、その収益を半分受け取る」というビジネスモデルをとっている。ひろゆき氏によるYouTube配信のワンシーンを有志が切り抜いた動画は大ブームとなり、2021年5月の“ひろゆき切り抜き動画”の総再生回数は3億回を超えた。

「第三者が元動画を自由に編集することを認める仕組みに対して、『タレントのイメージが壊されるのではないか』と懸念する見方もあると思います。ですが今の時代、いくらイメージを守ろうとしたところで暴露系YouTuberの標的になったら一発アウトですから(笑)。どうせネット上で好き勝手にあれこれされる時代なら、そこを逆手に取って、自分たちも利益を得たほうがいいんじゃないでしょうか」

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