ライフ

弘兼憲史氏、団塊世代に向けて「歳をとっても、この先も恋愛できる」とエール

これからの目標などについて語る弘兼憲史氏

これからの目標などについて語る弘兼憲史氏

 1947~1949年生まれの団塊の世代が、「後期高齢者」となる。社会保障費の負担増などを懸念する声が多いが、“当事者”はどう捉えているのか。今年、75歳を迎える江本孟紀氏(野球解説者)、弘兼憲史氏(漫画家)、大和田伸也氏(俳優)の3人が集い、これからの目標について語り合った。【全3回の3回目。第1回から読む

 * * *
大和田:弘兼さんの『人間交差点』や『黄昏流星群』はバイブルですね。僕たちの世代にぴったり寄り添っている。

弘兼:狙いはまさにそこなんですよ。『黄昏流星群』は老人の性がテーマですが、不倫をしろという漫画じゃないんです。“歳をとっても、この先も恋愛できるんだよ”とエールを送っている。あと数年すれば男性の生涯未婚率は30%を超えます。女性でも増え、中高年のブライダルマーケットが大きくなるでしょう。『黄昏流星群』を描きながら、“人生最後の恋”はなかなかいいものではないかと感じています。描いていて楽しいですね。

大和田:10年ほど前に初めて監督として映画を撮ったんですが、『人間交差点』みたいなストーリーを撮りたいと思ったんです。原作は版権が高くて手が出ませんので(笑)、自分で同じ年代の男の悲哀を表現しました。

江本:お2人のような芸術系の人は夢があっていいです。僕みたいな体育会系は暇な時にやることがなくて、リビングに置いた小さなダンベルを持ち上げるしかない。とくに日本の野球界はメジャーと違って年寄りを排除します。張本勲さんがいい例で、何かあると一気に悪口の標的になる。芸術系の人が羨ましいです。

弘兼:野球解説のお仕事もあるじゃないですか。

江本:やっていますが、一緒にやる若いアナウンサーは僕の現役時代を知らないですよ。“オールスターにも出たことあるのかな?”という感じで。

大和田:それは芸能界も同じです。若い人は三船敏郎さんを知らない。長谷川一夫さんも知らない。自慢話で、“昔、舞台で山本富士子さんと恋人同士の役をやった”と言っても、山本さんを知らないんだから。

江本:球界でも、ひょっとして王(貞治)、長嶋(茂雄)も知らないんじゃないかと心配になりますよ。

弘兼:僕らの世界でも手塚治虫先生を知らない人がいます。名前は知っていても、作品を読んだことがない。僕らの世代はまず手塚先生から入りました。トキワ荘の人たちが20代前半で描いた作品の読み手が団塊の世代。日本の漫画が世界一になったのは、団塊世代という読み手がいたからです。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン