──時代が変わっていくなかで、今後の目標はありますか?
江本:僕は人生の最後はアリゾナに住みたいね。毎年キャンプ取材を兼ねて行っていたけど、景色が最高で食い物もうまい。気候もいいし天国ですよ。
弘兼:僕は歳をとったなりに漫画を描きたい。『黄昏流星群』なら、主人公の80歳のじいさんが恋をしてもいいし。
大和田:僕はその役をやりたいなぁ。
江本:あと、今後の希望ということでは、やっぱり苦しむ最期は嫌です。死ぬならあっさり死にたい。野村克也、サッチー夫妻は2人とも眠るような死に際でした。ここだけは師匠の真似をしたいと思っています。
弘兼:理想ですよね。大和田さんは舞台の上で死にたい?
大和田:そうですね、ボロボロになるまで役者をやりたいです。あと、死ぬまでにもう1本だけ監督として映画を作りたい。
江本:その時はお金を払いますから、セリフなしで、バイクで通り過ぎるだけの役で使ってくださいよ(笑)。
弘兼:僕は最近、残りの人生を逆算で考えるんです。ゴルフにしても、80歳までできるとして、あと5年。年に20回として残り100ラウンドです。そう考えるとゴルフの1打も、食事の一食も、おろそかにできない気持ちにはなりますね。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
江本孟紀(えもと・たけのり)/野球解説者。1947年7月22日、高知生まれ。法政大から熊谷組を経て東映に入団。2年目に南海に移籍し、エースとして活躍。阪神に移籍後、「ベンチがアホやから野球がでけへん」の言葉を残して退団。引退後は政界に進出し、現在は辛口評論家として活躍。
弘兼憲史氏(ひろかね・けんし)/漫画家。1947年9月9日、山口生まれ。早稲田大で漫画研究会に所属し、松下電器産業(現・パナソニック)に入社。3年後に退職して漫画家の道に進む。代表作『島耕作』シリーズに加え、『黄昏流星群』では中高年の恋愛を描き、団塊世代にエールを送る。
大和田伸也氏(おおわだ・しんや)/俳優。1947年10月25日、福井生まれ。早稲田大在学中に演劇を始め、中退して自由舞台に参加。劇団四季を経て、NHK朝の連続テレビ小説『藍より青く』で人気を獲得。テレビドラマ、映画、舞台、ミュージカル出演に加え舞台演出、映画監督も務める。
※週刊ポスト2022年6月10・17日号