アスリートを通じて自己実現?
プロスポーツ界において一番リスペクトされるべき存在はやはり選手。観客の声援や裏方の努力で支えられていても、選手が第一であることに異論はないだろう。それなのになぜ、その原則が蔑ろにされるようなケースが相次いでいるのか? ベテランのスポーツライターはいう。
「近年はメディアが裏方を積極的に取り上げるようになり、それ自体は良いことだと思いますが、中には自己顕示欲が強いタイプもおり、“何とかして目立ってやろう”という人が出てきても仕方のない状況です。
実際、佐々木に詰め寄った白井審判は、見逃し三振をコールする時に独特のポーズを決めるので有名でしたし、今回トラブルを起こした大江キャディーも、過去の取材で『もっとキャディが注目されてもいい』『(騎手の)武豊さんのようになりたい』と答えています。彼らを見ていると、アスリートをリスペクトするというよりは、アスリートを通じて自己実現を果たそうと考えているように見えてなりません」(前出・スポーツライター)
大江キャディーの当時の発言を詳しく見ると『週刊現代』(2015年5月30日号)の直撃取材に次のように発言している。
《僕はもっとキャディが注目されてもいいと思っています。僕は武豊さんのようになりたい。武さんが乗ると、人気の薄い馬でも一気に人気が高まるでしょう? キャディとして、そういう信頼感や期待を持ってもらえるようになりたいんです》
キャディーが果たす役割の重要性などを訴えたかったようだが、この発言は選手を馬に見立てたとしてゴルフ関係者から問題視された。
前出のスポーツライターはこうも指摘する。
「大江キャディー、白井球審がキレた相手も気になります。佐々木はまだ20才ですし、大西もキャディーより年下で女性。相手が若手や女性だったから“安心して”キレたのだとすれば、スポーツに携わる者としての資質以前の問題でしょう」(スポーツライター)