そんな状況下で水谷の頭に浮かんだのが、寺脇の存在だった。
「今回、コンビ復活にあたっては、水谷さんから寺脇さんへの歩み寄りがあったと聞いています。番組のしまい方を考える水谷さんは、旧知のスタッフとかなり話し合ったそうです。降板時には関係が悪化したともいわれた2人ですが、水谷さんは『相棒』を人気シリーズにした立役者として寺脇さんを誰よりも評価していた。水谷さん自ら寺脇さんに電話をかけ、これまでの感謝とともに“もう一度一緒にやろう”と伝えたそうです。最後の相棒は寺脇さんしかいないという思いだったのでしょう。
昨年春頃には、2人だけで食事に。最初は再タッグのオファーに困惑していた寺脇さんも、水谷さん直々に誘ってくれたことに感動した。長年の“わだかまり”も消え去り、前向きな気持ちに変わっていったのです」(前出・芸能関係者)
6月23日、寺脇の再登板が発表された。
《亀山くんが帰ってくる。そんな日が来ることを、杉下右京は何度か夢見ていたに違いない。過去に戻るのではなく、新たな未来にまた二人で向かうための再会を、右京は淡々と待っていたに違いない》
水谷は、そう短くコメントを発表した。あえて自分の気持ちに触れなかったのは、自身の心境が右京のそれと重なっていたからなのだろう。一方の寺脇は喜びを隠しきれない様子で、自身のSNSで相棒関連のニュースを片っ端からリツイートしていた。そうして、14年前に枝分かれした2人の道が再び交錯したのが、冒頭のクランクインの日だった。
長い不在を経て再び戻ってきた亀山を、右京はどう受け止めるのか。物語の外でも困難を乗り越えた2人が見せる、最高の“相棒ぶり”に期待したい。
※女性セブン2022年8月11日号