芸能

『鎌倉殿の13人』でも話題に!時代劇研究家が注目する三谷大河ドラマの人気ヒゲキャラ

横田栄司

『鎌倉殿の13人』で注目を集める横田栄司

 小栗旬主演で話題を集める三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが注目するのは「ヒゲキャラ」。ペリーさんがこれまでの“三谷大河”の人気ヒゲキャラを振り返る。

 * * *
 ヒゲロス。30日に放送された『鎌倉殿の13人』 話を見たファンの多くはそう感じていると思う。ここでは、長く主人公の北条義時(小栗旬)とともに戦ってきた和田義盛(横田栄司)の壮絶な最期が描かれた。

 義盛は、北条家に権力が集中したことに不満を持ち、縁者が起こしたトラブルをきっかけについに決起し、御所にまで襲い掛かる。しかし、それこそが和田を滅ぼそうと画策していた義時の狙い。義盛はともに鍋を囲んだりして、親しくなった鎌倉殿(柿澤勇人)がわざわざ戦場に現れ、「お前に罪はない」と言ってくれたことに感激した直後、無数の矢に討たれ、斃れる。

 序盤は唐突に義時に「眉毛でも剃るか」と言い出して、片方だけ剃って出てきたり、「難しいことは難しいからわからねえ」ときっぱり言ったり、巴(秋元才加)とはコントのようなバトルも続ける。「絵にかいたような坂東武者」と言われたヒゲもじゃの義盛は、もっとも愛嬌のある武将として描かれてきた。その人物の無惨な最期は、義時の非情さをさらに際立たせる。放送開始から長い時間をかけた作戦だったとも思える。

 同時に義盛をきっかけに俳優・横田栄司の存在も際立った。ますます映像作品への出演も増えるに違いない。今は心身不調で休養中とのことだが、元気な復帰を願うばかりだ。

 思い返せば、過去にも三谷幸喜作の大河ドラマで、強い印象を残したヒゲ面キャラはいた。たとえば、『真田丸』の本田忠勝(藤岡弘、)は、徳川家康(内野聖陽)の側近武将で、とにかく熱い男。髪の毛もヒゲも眉毛までも真っ黒でごわごわ。それだけでも威圧感があるのに、冑には大きな鹿の角、黒い甲冑の上から巨大な数珠を斜めがけにしているのである。

 喜んでも怒っても、吠えるような大声で大汗をかく。何もかもちょっと大きめ。慎重派の家康は、忠勝に「殿っ!!」と呼ばれただけで腰が引けて見えたが、愛すべき人物ではあった。このドラマで、藤岡弘、の熱い面白さに気づいた視聴者も多かったはずだ。なお、来年の大河ドラマ『どうする家康』で忠勝を演じるのは山田裕貴。黒ヒゲとは無縁な気も…。

関連記事

トピックス

新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン