弱気な言葉が増えていた
他方で自殺未遂騒動の前後の時期、松原さんは複数の日本のテレビ番組に出演し、石田やすみれとも共演している。番組では自ら石田ファミリーに言及し、「不倫は文化」騒動をネタに出演者の笑いを誘ったこともあった。
最後のテレビ出演は2019年のバラエティー番組だった。この番組では、ハワイの観光スポットを巡るロケで、快活な姿を見せた。また、ここ数年はすっかりハワイのコミュニティーにも馴染み、「チアキ」と発音しづらい現地の人から、“ジャッキー”と親しみを込めて呼ばれ、よく食事にも出かけていたという。だがテレビ画面や友人の前で見せる朗らかな笑顔は、彼女の一面にすぎなかった。
「松原さんは『チアキ・バウワー』の本名で投稿するSNSに愛犬やすみれさん、昔の自分の写真をよくアップしていました。母親として家を出た子供たちの生活を応援しているとはいえ、異国でのひとり暮らしはやはり寂しさもあったのでしょう。実はここ数年、『死にたい』と口にすることが多くなり、自殺未遂を繰り返していたといいます」(前出・松原さんの知人)
松原さんが他人に見せない「本当の顔」を最もよく知るのはすみれだが、不幸なことに、3年に及ぶコロナ禍が、強い絆で結ばれた母娘を物理的に遠ざけた。
「すみれちゃんは松原さんの近くにいたかったけど、仕事やプライベートの忙しさに加えてコロナがあって、なかなか出国できなかった。昨年、妊娠中にもかかわらずハワイに会いにいったのも、松原さんのことが心配だったからでしょう。育児が落ち着いたらまたすぐにでもハワイに飛び立つつもりでしたが、その折に母の死を知らされ、言葉を失ったそうです」(前出・すみれの知人)
ママを支えるという誓いを果たせなかったすみれは達也さんから事情を聞くなり崩れ落ち、激しく自分を責めたという。
夕暮れどきになると、ハワイの麗しい夕陽が、再び松原さんのマンションを照らし始める。11月初旬、オレンジ色に染まった建物から、自転車で出かける青年の姿があった。それは松原さんの息子、達也さんだった。彼は、穏やかに彼女の最期を話し始めた。
「母はずっと病気をしていたんだ。入院していたこともあって、ずっと苦しんでいた。でもいまはもっと楽な場所に行ったんだと思う……。いまは、彼女が残した愛犬の世話と部屋の管理でバタバタしていて、ようやく落ち着いたところだよ。火葬も済ませたけれど、お墓はまだ決まっていない。ハワイではお墓を探すのも難しいからね」
彼は最後に「せっかくだからハワイを楽しんでください」と言い残し、自転車のペダルに足をかけた。
一方で、すみれは音信不通の状態が続いている。11月7日に石田の妻、東尾理子が自身のインスタグラムを更新し、長男・理汰郎くんの10才の誕生日を祝う様子を投稿したが、例年、石田の子供たちの誕生会には必ずと言っていいほど駆けつけるすみれの姿はそこになかった。
松原さんは生きづらい日本を離れ、たどり着いた安寧の地で眠りについた。そのことだけが、残された者を慰めるのかもしれない。
※女性セブン2022年12月1日号