国内

組長が命じたことは「絶対」の暴力団の世界 組長に「やってしまえ」と言われた幹部がとった行動

組長からの命令は「絶対」(写真/イメージマー)

組長からの命令は「絶対」(写真/イメージマート)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、究極の上意下達な組織である暴力団において、組長から襲撃命令を受けたある幹部のエピソードだ。

 * * *
 極道は、組長の言うことが絶対という世界に生きている。「やれ」と言われればできないとは言えず、どうやったらやれるかを考えるのみ。ただ1つだけ、やれと言われたことをやめる方法がある。

 ある暴力団傘下の組同士の勢力争いで、それは起きた。

「あいつ、やってしまわなあかんな」

 組長のその一言で暴力団幹部A氏らは、その日から某組の組長を狙い始めた。

 理由は上層部の組と、某組の組長が不動産売買をめぐって反目したことにある。揉め事で組織内には不協和音が生じ、組同士がガタガタしだした。上層部の組側にいるA氏の組の組長は、それが許せなかったのだ。

「思い知らせてやらんと。やってしまえ」

 やってしまえとは襲撃しろということだ。A氏らはまず、いつどこで襲うのがいいか、某組組長の行動確認を行った。

 狙いやすいのは組事務所か自宅に出入りする時だが、某組の事務所は繁華街のほぼ中心に位置し、事務所前の道路は一方通行だった。だが自宅は、それ以上に面倒な場所にあった。狭い路地や一方通行の道が入り組んでいる、坂の多い高級住宅地だったのだ。

「時間によって繁華街は人出が多くなる。狭い路地では車を駐車できないし、坂があれば逃げるのも難しくなる」とA氏。

 ヤクザ映画などでは、よく組長の行きつけの店などで襲撃するシーンがある。現実にも似たようなことは起きていて、最近では、10月26日の白昼、岡山市内の理髪店で、暴力団組織「池田組」の組長、池田孝志が散髪中に襲撃された。襲撃した男は六代目山口組の山健組系妹尾組の幹部。その時の様子はニュースでも報じられた。

 池田組は神戸山口組から脱退した独立組織であるが、「六代目山口組から神戸山口組が分裂した際、ほかの組を引っ張るのに金を出したのが池田組。池田は全国にいくつもの不動産を持ち、相当の金を持つ神戸山口の資金源だった。妹尾組は六代目山口組に出戻った山建組系。出戻りだから、少しはいいところを見せなければと焦ったのではないか」とA氏はいう。

 襲撃した妹尾組幹部は、理髪店の前に車を停め、催涙スプレーとサバイバルナイフを手に店に乱入したが、池田組組長のボディガードの組員らに取り押さえられた。池田組組長は無事だった。

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン