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桑田佳祐と伊集院静、2人を結んだ数奇な縁「なぎさホテル」がつないだ“大切な時間”

グローブシップ株式会社提供

歌手・桑田佳祐と作家・伊集院静がともに自らの作品に取り上げたのがなぎさホテル(写真/グローブシップ株式会社提供)

 雪が舞う夜の遊園地。桑田佳祐がメリーゴーランドから手を振ると、視線の先の綾瀬はるかが投げキスを返す──そんなキュートな2人を映したユニクロのCMで桑田がノスタルジックに口ずさんでいるのが、最新曲『なぎさホテル』(桑田佳祐ベストアルバム『いつも何処かで』収録)。

 架空の場所ではなく、湘南育ちの桑田の原風景・逗子の海辺に実在した、同名のホテルに着想を得て大切な人との軌跡を曲にしている。

 同所は湘南唯一の洋式ホテルとして1926年に開業、1989年に閉館するまで皇族をはじめさまざまな人に親しまれ、逗子のシンボルとして存在していた。

 作家の伊集院静も、この海辺のホテルにゆかりがあるひとり。自身の作家としての原点を綴った自伝的随想『なぎさホテル』(小学館刊)に、かつて同所で過ごした忘れがたき時間が詰められている。

 11年前に発表された伊集院の随想を、桑田は楽曲の完成後に読破。奇しくも互いの作品の世界観が通じ合うことに胸を打たれて、タイトルに『なぎさホテル』とつけると、直筆で伊集院に手紙をしたためたという。

 誰もがきっと心に宿している、大切な“あの頃、あの時間”。随想とバラードのふたつの「なぎさホテル」がいつまでも消えることのない心象風景にそっと、寄り添ってくれる。

※女性セブン2022年12月15日号

 

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