国内

60代女性記者「リベラル派に親しみを持てない」“弱者の味方”と言いながら見下げられた経験を明かす

高市早苗氏(写真/共同通信社)

高市早苗氏(写真/共同通信社)

 与党に不満があっても、野党をすべてを任せられるかといえば、そうでもない──そんなジレンマを抱えている人も少なくないのではないだろうか。体験取材を得意とする女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、“リベラル派”を信じられないと話す。それはどうしてなのだろうか。オバ記者が綴る。

 * * *
 衆議院議員会館でアルバイトをしていると言うと、「政治が好きなの?」と聞く人がいる。中には「選挙に出るの?」と真顔で聞く人もいるからビックリする。でも、まぁ、そうなのかもね。多くの人は政治に特別な関心なんかないって。

 私がそうだもの。ロッキード事件の昔から、政見放送や国会中継は昼寝用BGMだったし、選挙は国盗り物語みたいで血が騒ぐものの、地元・茨城の衆議院議員の名前すら知らなかったんだから、まぁ、その程度よね。

 そんな私が議員会館でアルバイトを始めてまずビックリしたのは、会館内の事務所に据えられた専門チャンネルから流れている、国会での議員同士のけんか腰のやり取りよ。声を荒らげて迫ったり、かと思えば大臣や総理をキレさせようと小バカにしたりと、朝から夕まで質疑の半分は“けんか上等”だ。

「こんなやり取りを一日中聞いていてキツくないですか?」と政策秘書のNさんに聞くと、「別に。ああ、やってるなと思うだけですね」だって。

 そんな私も、いまやそのチャンネルからどんな怒号が聞こえてきてもめったに画面を見なくなったの。ところがこの春の「いじめ?」と思うほど激しい、高市早苗議員に対する野党の猛攻撃はどうよ。疲れ切っているのか、彼女の頬っぺたが日に日にこけ、影を濃くしていくのは見るに堪えなかった。そして、立憲民主党の論客・小西洋之参議院議員は勝ち名乗り寸前!

 なのに、記者会見で「憲法審査会の毎週開催はサルのやることだ」などと暴言を吐いたからたまらない。それが記事になると、「オフレコの場だったはずなのに」とか、「前半だけ切り取られた」と文句たらたら。謝罪を口にしながらも、ずっとヘラヘラ笑い?

 ほんと、人って正直だなと私は思うんだよね。口で何と言おうと、彼の傲慢や慢心、甘え、「何でこんなやつらに!」という怒りが、みんな顔に書いてあるんだもの。

 彼だけじゃない。正直にいうと私、どうしても「リベラル派」に親しみが持てないんだわ。彼もそうだけど、物言いが上からで、「弱者の味方」と言いながら、ゾッとするほど冷たい目で弱者を見下げているんだもの。本人にそのつもりはなくても、何度も見下げられた身には一瞬の心の動きが手に取るようにわかるんだよね。

 私がこの視線に出会ったのは農業高校3年生のとき。用事があって職員室に行くと、大学進学など夢のまた夢の私に向かって、リベラル派のある教師はサラリと言った。「われわれがヤマザキ(私の旧姓)の進学の助けができればいいんだけどな。いまは何もできないんだよ。わかるな」。その後続いた、校長のグチや自民党政権の悪口。もしそれがみんなその通りだとしても、高3の私に言ってどうするの?

 その後、昭和50年に上京して、住み込みで靴屋の店員になった私は、学生運動をしている同世代のお客さんと仲よくなった。そして、「デモというものに参加してみたい」と言ったら、まあ、彼らの喜ぶまいことか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
反日映画「731」のポスターと、中国黒竜江省ハルビン市郊外の731部隊跡地に設置された石碑(時事通信フォト)
中国で“反日”映画が記録的大ヒット「赤ちゃんを地面に叩きつけ…旧日本軍による残虐行為を殊更に強調」、現地日本人は「何が起こりるかわからない恐怖」
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン