ヘンリー王子がフランスの有名ブランドを着用して参列し、メ―ガンさん(写真)は米国を離れなかった(写真/AFP=時事)
中継の映像にもその姿が映り込み、SNS上でも不穏なコメントが多数投稿される事態となってしまった。英王室に詳しいジャーナリストで『英国女王が伝授する 70歳からの品格』(KADOKAWA)を上梓した多賀幹子さんが解説する。
「正体は『聖堂番』という寺院関係者だったようですが、“戴冠式に死神が現れた”という言説が独り歩きしています。なかには“故ダイアナ元妃があの世から姿を見せた”と表現する人もいました」
誰しもダイアナ元妃の存在を忘れてはいない。多賀さんは、「英国民のなかには、いまもダイアナ元妃への憐憫の情がある」と語る。
「戴冠式やパレードでのカミラ王妃の姿を見た英国民は少なからず、“本来あの場所にいるべきはダイアナ元妃だったのに”と思ったに違いありません。そうしたイメージが拭いきれず、心からの祝福は難しかったのではないでしょうか」
カミラ王妃は国民感情に配慮し、これまで「皇太子妃」を名乗らなかったが、エリザベス女王の死去を機に「クイーン・コンソート(王妃)」の称号を得た。
「『王妃』について複雑な思いを抱いている国民は少なくなく、ダイアナ元妃を苦しめた彼女とチャールズ国王が英王室のトップになることに関して、拒否感を口にする国民もいるほどです。今回の戴冠式に対するデモも行われていましたが、今後、国民の心が英王室から離れていくかどうか、正念場を迎えています」(多賀さん)
※女性セブン2023年5月25日号