引退会見には三浦監督も駆けつけた(時事通信フォト)
体が丈夫だった幸夫さんだったが、昨年に体調が良くない時期が続き、10月に病院で検査を受けたところ胆嚢がんと判明。他の部位にも転移していた。石川はこの時期にアメフトで現役続行を決断したが、年明けに静岡の実家に戻ると、幸夫さんは起きてこられなくなっていた。「大丈夫?」と聞くと、我慢強い性格で「大丈夫だと」と返ってくるが明らかに辛そうだった。今までずっと支えてくれた父親のそばにいたい──。石川は悩み抜いた末、アメフトを辞めることを決断する。
「本当に迷いました。ここで辞めたら中途半端になることは分かっている。でも、今まで支えてもらった恩返しじゃないけど、おとんのそばにいたかった。石井GMに年明けに伝えた時に休部を提案して頂いたけど、僕はまだ2年ぐらいしかやっていない。覚えるのは速いけど体になじんでいないので忘れるのも速い。休部から復帰してまた通用するほど甘い世界ではないことは分かっていたし、中途半端になるならやらないほうがいいと決断しました」
現役引退を決断した本当の理由は、数少ないチームメートにしか明かさなかった。個人的な事情でシーズン前に迷惑を掛けたくなかったからだ。石川から明かされた宜本は、「事情が事情なので引き止められなかった。タケさんが本気でアメフトに向き合っていたのは分かっていましたから…」と言葉に詰まった。
