芸能

新月9ドラマ『真夏のシンデレラ』で新人脚本家が大抜擢、いまだ続く『silent』効果

『真夏のシンデレラ』に新人脚本家を大抜擢

『真夏のシンデレラ』の脚本家は新人の市東さやかさん(公式HPより)

 数多くのヒットドラマを生み出しているフジテレビの「月9」。その最新作『真夏のシンデレラ』で新人脚本家が起用された。脚本コンクールの大賞受賞者とはいえ、新人が人気ドラマ枠でオリジナル作品を手掛けるのは極めて異例。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。

 * * *
 10日夜、今夏の月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系、月曜21時)がスタートします。

 同作のコンセプトは、真夏の海が舞台の男女8人恋愛群像劇。「月9ドラマの全盛期」と言われる1990年代を思わせる設定に加えて、森七菜さん、間宮祥太朗さん、神尾楓珠さん、吉川愛さん、萩原利久さん、白濱亜嵐さん、仁村紗和さん、水上恒司さんという若手実力派俳優の集結が話題を集めています。

 ただ、それと同等以上に業界内で話題を集めているのは、同作が「新人脚本家・市東さやかさんの手がけるオリジナル」であること。市東さんは昨年、『第34回フジテレビヤングシナリオ大賞』の大賞を受賞したばかりであり、連ドラデビュー作をフジテレビ看板枠の月9ドラマで飾ろうとしているのです。その意味で大抜てきの市東さん自身も、『真夏のシンデレラ』の1人と言っていいでしょう。

 さらに今春は、『ハレーションラブ』(テレビ朝日系、土曜23時30分、8月5日スタート)でも、昨年の『第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞』の大賞を当時、大学4年生で受賞した若杉栞南さんを抜てき。市東さんと同じように同作が連ドラデビューとなるようです。

 脚本コンクールで受賞したばかりの人が連ドラを手がけること自体珍しい上に、両作は原作のないオリジナル。まさに異例の大抜てきですが、その背景には昨秋のヒット作『silent』(フジテレビ系)の影響が少なからずあるでしょう。

『silent』生方美久氏との共通点と縁

『silent』はテレビコンテンツの歴代最高となる配信再生数を叩き出し、『TVerアワード2022 ドラマ大賞』を受賞したほか、ロケ地に観光客が殺到したヒット作。川口春奈さん、目黒蓮さん、鈴鹿央士さんらの熱演とともに、新人脚本家・生方美久さんの手がける繊細な人物描写やセリフが称賛を集めました。

 その生方さんは一昨年に行われた『第33回フジテレビヤングシナリオ大賞』の大賞受賞者。同賞で審査員をしていた村瀬健プロデューサーが生方さんの才能にほれ込んで『silent』のオファーをしたことなどが明かされています。

 一方、『真夏のシンデレラ』の中野利幸プロデューサーも同賞の審査をする中で市東さんの才能にほれ込んでオファーしたそうですから、抜てきの経緯はほぼ同じ。さらに、生方さんと市東さんはともに「元看護師のアラサー」という共通点があるほか、市東さんは自分が1次審査で落選した第33回で似た境遇の生方さんが大賞を受賞したことを知って再挑戦を決意したという縁もあるようです。

 そんな共通点や経緯があるからこそ市東さんは『真夏のシンデレラ』を生方さんの『silent』に負けないような作品にしようと全力で挑むでしょう。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト