脚本家、ドラマの監督、映画の監督とプロデューサーという立場の異なる大御所クリエイターがサンプルとなることで、今後はこの戦略が選択肢に入ってくるのではないでしょうか。たとえば「この4人ほどネームバリューがない」というクリエイターでも、「ある程度の情報を伏せて人々に興味を湧かせる。想像力をふくらませてもらう」という戦略を採用するかもしれません。
そもそも夏は学生、社会人ともに長期休みがあるなど、SNSの動きが活発な時期。映画、ドラマともにネット上のクチコミが期待できる季節だけに、この3作にどんな反応が寄せられるのか楽しみです。
事前情報を控えた分、それが明らかになったときの爆発力は大きく、事実『君たちはどう生きるか』と『VIVANT』のネット反響は凄まじいものがありました。『何曜日に生まれたの』がこの2作に続けるのか、注目してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。