芸能

世界で愛されるK-POP 韓国のアーティストのレベルが高さを示す「歌と踊りは自慢するな」の言葉

21年から3年連続で米「グラミー賞」にノミネートされたBTS。23種ものギネス世界記録を更新(共同通信社)

2021年から3年連続で米「グラミー賞」にノミネートされたBTS。23種ものギネス世界記録を更新(共同通信社)

 ワールドワイドに支持されている韓流カルチャー。日本での第1次韓流ブームが巻き起こったのは、2003年にNHKのBSで放送された『冬のソナタ』がきっかけだ。そして、2000年代中頃になると、K-POPに注目が集まるようになる。これが第2次韓流ブームとなる。韓国カルチャーに詳しい作家の康熙奉さんが解説する。

「火付け役となったのは、東方神起でしょう。彼らは2004年に韓国でデビューし、その翌年、日本デビュー。長身で抜群のルックス、何より歌唱力の高さとピタリと息が合ったダンスパフォーマンスは見るものを圧倒。瞬く間に人気となりました。

 同時期にBIGBANGなどの実力を持ったグループが活動を始め、少女時代やKARAなど抜群のスタイルとスキルの高いダンスパフォーマンスで魅せるガールズグループが登場。K-POPは日本の市場でも大きく受け入れられるようになりました」(康さん・以下同)

 なぜ、K-POPアーティストたちは歌やダンスのレベルが高いのだろうか。

「韓国には、『歌と踊りは自慢するな』という言葉があるほど、老若男女を問わず、日頃から歌や踊りに親しんでおり、レベルも高いんです。貸切バスの中で団体客が通路で踊っているなんてことも珍しくありません。彼らのDNAには生まれながらにして歌とダンスのスキルが組み込まれているんです」

 K-POPアーティストたちは日本での成功をきっかけにアジアから世界へと活動の幅を拡大。そこに現れたのがBTSだ。彼らは2017年前後に第3次韓流ブームを巻き起こす。

「BTSは当初からアジアだけでなく、世界進出を目指していました。

 自分たちの音楽やその思いを伝えるためにもYouTubeやSNSを使って情報を配信。時代に合った戦略を立て、知名度を上げていったのです」

東方神起は’05年に日本デビューし、’10年まで5人組で活動。現在はユンホ(37才)とチャンミン(35才)の2人でドームツアーなどを行う

東方神起は2005年に日本デビューし、2010年まで5人組で活動。現在はユンホ(37才)とチャンミン(35才)の2人でドームツアーなどを行う

韓国のプロデューサーが仕掛ける世界戦略

 一口にK-POPと言っても近年はメンバーの国籍も多種多様だ。J.Y.Parkの名で知られる歌手のパク・ジニョン(51才)がプロデュースを手掛けるTWICEは韓国人5人、日本人3人、台湾人1人の多国籍グループだ。

 コロナ禍に「世界で活躍できるガールズグループを作りたい」と、彼が日本国内で大々的に行ったオーディションは、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)などを通じて話題となり、日本人女性だけのグループNiziUがデビューした。

「いまの日本の芸能界は、韓国の才能あるクリエイターを起用して、世界で通用するグループや作品を作りたいという気持ちが強いようです。その逆も然りで、エンタメ界においては、日韓の垣根はなくなってきました」

 たとえば、是枝裕和監督(61才)が韓国の国民的俳優ソン・ガンホ(56才)らを起用して撮った映画『ベイビー・ブローカー』(2022年)は、カンヌ国際映画祭などで高い評価を受けた。

「2003年前後から起きた韓流ブームにより、日韓双方が尊重し合い、質の高い作品を作っていく傾向はこれからも高まっていくと思います」

※女性セブン2023年8月17・24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン